2023年3月31日金曜日

西三河でスターバックスの新店開業続く

オープンした西尾今川店 

 モーニングサービス文化が浸透している西三河地方で、同サービスを提供しないカフェチェーン「スターバックスコーヒー」が相次いでオープンしている。昨年11月から営業を開始した安城市の三河安城店に続いて、3月30日に西尾市の中心街に近いロードサイドに西尾今川店がオープンした。また、西尾市では名鉄西尾口駅西口にあるマックスバリュ前で西尾道光寺店が新築工事を進めていることも分かった。

 新店舗のスターバックス西尾今川店は、西尾市役所やJA西三河本店が並ぶ道路を南下した今川町下落合の交差点近くにある。50台近く止められる広い駐車場を備え、ドライブスルーにも対応している。三河安城店同様、店内はすっきりしたデザインのカジュアルスタイで、大手キャリアの無線LANに対応し、窓の外をゆっくり眺められる座席も用意。入り口横の駐車場に沿った通路の窓際にはテーブルと椅子が置いてあり、外でも飲食できるようにしている。

 同店はオープンしたばかりで平日の来店客はそれほど多くないが、1人で来店する若い女性客が目についた。20代の女性客が特に多いと言われる、既存店のスターバックスヴェルサウォーク西尾店とほぼ同じような客層とみられる。シニア層の来店が目立つ市内のコメダ珈琲店、わらく珈琲、さかい珈琲とはかなり客層が違う。

今川店のエントランス

カジュアルで明るい店内
広い駐車場

 新築店舗の工事を進めているスターバックス西尾道光寺店は道光寺町のマックスバリュ西尾店前にあり、工事現場前の標識では完成予定が7月14日とある。建物が完成したあと内装工事などもあり、オープンは8月か9月とみられる。標識によると、店舗の敷地面積は1920㎡で、建築面積229.8㎡、延べ面積194.68㎡。施工業者はピーライトプレミアム。一見した感じでは、今川店ほど駐車場は広くないようだ。

 なお、これまで西尾市には名鉄西尾駅前の商業施設ヴェルサウォーク西尾1階にしかスターバックスコーヒーの店舗はなかった。

新築店舗建設中の西尾道光寺店


 




2023年3月29日水曜日

大型複合店のTSUTAYA東浦店が閉店セール

 

 映画・ドラマのネット配信拡大でTSUTAYAのFC店閉店が続く中、4月9日には知多郡東浦町の大型複合店として知られるTSUTAYA東浦店が閉店する。同店はイオンモール東浦の西側に延びる国道366号線の緒川北交差点にあり、3階建てビルの1階を使用、2階にはエディオン東浦店が入り、隣に立体駐車場ビルも構えている。TSUTAYAより先にエディオンは3月21日に閉店し、ビルの一部はすでに解体(修繕?)工事に入っている。

 TSUTAYA東浦店は、DVD・CDレンタル・販売、ゲームソフト販売のほか、雑誌・書籍・文具の販売も行う複合店。2017年まではスターバックスコーヒーもあったという。2月1日から閉店セールを実施、段階的に割引率を拡大する方式を取り、3月29日には文具80%OFFと表示。ただし、商品は棚にほとんど残っていなかった。レンタルの最終買い出し日は3月31日で、4月1日からは返却受付と販売業務だけとなる。また、4月1日からは営業時間も午前10時から午後7時までと短縮になると告知している。

2階のエディオンは3月21日にすでに閉店

最終処分80%OFFの文具棚はガラガラ

駐車場側の入口にはCDがずらり

 3階建てビルは1983年12月に開業したもので、1999年3月までユニー東浦店として営業していた。その後、ビルをリニューアルし、ミドリ電化(現エディオン)東浦店とTSUTAYA東浦店の共同店舗となった。3階にはかつて服部家具センターのアウトレット店が入居していた。ビルは建設してから40年近く経つので、外階段などかなり老朽化が進んでいるところもある。

 近隣では、刈谷市のTSUTAYAブックセンター明豊刈谷店が営業しているが、TSUTAYA高浜店は2019年9月、TSUTAYA安城店は2020年7月、TSUTAYA碧南店は2022年1月にそれぞれ閉店した。このほか、TSUTAYAいまじん知立店も2017年に閉店している。

奥には立体駐車場ビルも

老朽化が進んだ外階段 
碧南店閉店の告知


2023年3月28日火曜日

西尾市の桜の名所は吉良さんが築いた黄金堤

 西尾市吉良町の桜の名所として知られる黄金堤(こがねづつみ)は、吉良上野介義央(きらこうずけのすけよしひさ)が築いた堤防。吉良義央は元禄赤穂事件を元にした創作作品『忠臣蔵』では敵役に描かれているが、地元吉良では名君とたたえられている。領地の大部分は現在の吉良町にあり、 言い伝えによると、大水のたびに被害に苦しんでいた水害から領地を守るため、領民とともに長さ約180メートル、高さ約4メートルの堤防を一夜で築いた。

 黄金堤の階段横に西尾市教育医委員会が設置した史跡案内板には次のように記載してある。「吉良さん善政の最たるものは、この黄金堤の築堤である。当時、増水のたびに隣藩上流平野の水がこの細い谷を抜けて南下し、今の吉良町の新田地帯はそのつど大水に悩まされた。吉良さんは、この山間の約180メートルを堤防でふさぎ、下流8千石の田園を水害から救った。領内老若男女こぞって工事に参加し、一晩で完成したと伝える。ひき続き関連の用水路が整備された」。その後は水害がなくなり、良田となったことから、人々はこれを「黄金堤(こがねづつみ)」と呼んで遺徳をたたえたという。



 現在、堤には桜の大木がずらり並んで、薄いピンク色の花を咲かせている。品種は江戸末期に生まれたと言われる一重咲きの染井吉野。桜並木の先は竹藪で、通れないように堤の道は塞がれている。近くに名鉄電車は走っていないが、堤の下には30台近く止められる駐車場もあり、平日でも見学に訪れる家族連れなどは多い。

吉良上野介義央の像もある


2023年3月27日月曜日

イトーヨーカ堂の店舗数縮小でどうなる安城店

  セブン&アイ・ホールディングスはイトーヨーカ堂の構造改革を推進するためアパレル事業から完全撤退し、2026年2月末までに33店舗の閉店を決定した。店舗は首都圏へのフォーカスを加速する計画であり、閉鎖するのは地方店舗が中心になると予想されるため、名鉄新安城駅前にある4階建て大型店舗の安城店もどうなるか分からない状況となってきた。

 愛知県のイトーヨーカドーは刈谷店が2年前に撤退したことから、現在残っているのは赤池店、安城店、尾張旭店、知多店、根津店の5店舗しかない。このうち赤池店は同社ショッピングセンター「プライムツリー赤池」と一体的造りで、閉店店舗に入る可能性は極めて低いとみられる。安城店は4階建てで、売り場は1、2階の2フロアながら1万5300㎡(新偏安城市史)と市内最大級。しかし、キーテナント面積をみると1423㎡とそれほど広くなく、閉店店舗になりかねない微妙な立ち位置にあるような気がする。

 安城店の開業は1997年8月で、2015年7月にリニューアルした。最近ではアパレル関係縮小の経営方針に沿って2階の紳士服売り場に洋服の青山を導入、昨年11月には1階にスーパースポーツゼビオが出店した。さらに今年1月には小型店舗だが、呉服店BANKANも1階にオープン。今後店舗が存続する場合でも、2階の子供衣料、紳士衣料、肌着・靴下、家庭用品・インテリア、1階の婦人衣料の売り場はテナントと入れ替えとなる可能性が高い。

1階と2階が売場で3、4階は駐車場

1階にスーパースポーツゼビオが出店

 ちなみに、閉店した刈谷店は地下1階、地上2階建ての商業施設エルシティの地下1階と1階に出店していた。このエルシティは昨年4月に「ルビットタウン刈谷」としてリニューアルしたが、店名はバローが運営する商業施設名で、もちろんキーテナントは地下1階に出店したバロー。イトーヨーカドーからキーテナントが替わると共に、地元主導型で開発された商業施設自体の運営も替わったわけだ。1階には刈谷市初の無印良品、2階にはエディオンとダイソーが出店している。安城店も一気に商業施設自体の運営が変わる可能性もあると言える。

 (注)安城店のキーテナント面積はオープン時のもの。その後、もう少し増えているかもしれない。

リニューアルオープンしたルビットタウン刈谷

2023年3月21日火曜日

自由に会話・飲食できる図書館の本『アンフォーレのつくりかた』

  安城市図書情報館を中核とした中心市街地拠点施設「アンフォーレ」について、開館までのいきさつなどをまとめた書籍『アンフォーレのつくりかた』が2月に刊行された。図書情報館で貸し出しを行っていたが、数冊ある蔵書が貸し出し中となっていたため、予約後かなりの日数(10日後くらいか?)が経過してようやく借りることができた。残念ながら定価が3080円(税込)とちょっと高かったので、とりあえず購入するのは諦めた。

 同書は発行所が東京都文京区の樹村房で、A5判、320ページ。タイトルの通り、前神谷市長や前三星副市長、建築家、市役所職員、図書館員など様々な立場の人のアンフォーレに対する関わり方や思いを収録したもの。サブタイトルは「図書館を核とした賑わいの複合施設」。編者は図書館総合研究所主任研究員の岡部晋典氏で、市職員、図書館員に執筆してもらうと共に関係者や利用者ら25人にインタビュー。「直接携わった人の生の声を集められました。他の自治体が新図書館をつくる時の参考になる一冊」と同氏(2月24日付安城ホームニュース)。

中心市街地に立地するアンフォーレ

明るい1階エントランスホール
食品スーパーが入れ替わった民間施設棟

 本文で驚いたのは、「にぎやかな図書館」の小見出しで図書サービス係の市川さんがある日の光景として、「旅行ガイドを広げて囁き交わす初老の夫婦、サイドイッチ片手に資料を眺めるビジネスマン風の男性、机上にタピオカドリンクを並べながら問題集に取り組む女子高生三人組、ベビーカーを連ねて絵本架を巡るママ友たち」と記載。つまり、「他の利用者の迷惑にならない範囲内での会話・飲食を認めている」、常識はずれの図書館だという。

 実はコロナ感染が広がった中の2020年4月以降にしかアンフォーレに行ったことがなかったので、会話・飲食自由といった状況の図書情報館を経験したことがない。コロナ感染症拡大防止対策として「食事はご遠慮いただいております」とホームページに記載しており、館内で飲食している来館者を見たことがなかった。しかし、問い合わせたところ、現在ペットボトル、水筒、ふたのある容器、未開封の缶・紙パックの持ち込みは可能で、ペットボトルの飲料水を飲みながら本を読んでいる来館者はいるという(今まで個人的に見たことがなかったが、マスク着用が個人の判断となったことからペットボトル持ち込みも出てきたのかもしれない)。

 2021年2月8日の日経デジタル版では、「おしゃべりや飲食ご自由に 愛知の図書館、異例の人気」の見出しでアイフォーレを取り上げた。「活字離れと言われる中、愛知県安城市の私立図書館が驚異的な実績を上げている。開館から3年連続で来館者100万人超、同規模自治体では全国一の年間個人貸出数計200万冊を達成した。飲食や会話も自由などの取り組みが奏功している」と記載。本が心配だが、汚損した本はないという。

 『アンフォーレのつくりかた』では、愛知工業大学中井教授が「アンフォーレは館内全体がにぎやかで、どのフロアも飲食可能でとても過ごしやすいと感じたが、逆に『静かな環境』が少ないのではないかとも思った」と指摘。そして、「音の感じ方も、人によってさまざまであるため、やはり静かな環境も各階に用意してあげたい」と提言している。いつ会話・飲食自由といったコロナ感染症が出現する前の状況に戻るかは分からないが、やはり中井教授の提言のように図書館には静かな環境も必要だと思う。

 また、街の賑わい創出のため更生病院の移転した跡地にアンフォーレは建築され、図書館としては大成功を収めた。しかし、「中心市街地は活性化したのか」の問いに、市議会議員は「していないと思います。ズバッと言うと。していないですね。まちに人が出ていかない。図書館だけでは無理でしょう」と本文の中で回答している。実際にアンフォーレ内がイベントで集客している時でも、周りの商店街にほとんど賑わいは感じられない。

日経デジタル版


 

 

2023年3月19日日曜日

県議選安城市選挙区の定員2人に3人立候補

 

 統一地方選挙の前半で行われる愛知県議会議員選挙に向けて、安城市内に候補者ポスターの掲示板が設置された。愛知県議選は県内の55選挙区に分かれて、3月31日に告示、4月9日投票の日程で行われる。安城市選挙区は定数2人で、ポスター掲示板の枠は6人分用意されているが、もちろん6人立候補するわけではない。これまで無投票が常態化してきたようだが、今回は全員当選というわけにはいかない3人が立候補を表明している。

 NHKニュースWEBによると、3月1日に名古屋国際会議場で開かれた説明会には、愛知県議会議員選挙(定員102人)に立候補を予定している147の陣営から関係者が出席した。また、立候補の届け出に必要な書類に不備がないか確認する事前審査が、17日からそれぞれの選挙区で始まったという。立候補予定者説明会に出席したのは、県選挙管理委員会の資料を見ると定員2人の安城市選挙区では2人。西三河では、定員2人の刈谷市は4人だが、定員2人の西尾市が2人、同1人の碧南市が1人、同1人の高浜市が1人、同5人の豊田市が5人と無風状態となっている。

 説明会は出席陣営の立候補予定者も公表されており、安城市選挙区では名前が記載されているのは現職の今井隆喜氏(自民党)と新人の稲垣退三氏(無所属、アイシン社員)。しかし、説明会に出席しなかった元安城市議・永田あつし氏も3月13日のブログで県議選への出馬を表明した。その理由として、市長選挙で応援してもらった人たちへの期待に応えること、「無投票による県議会議員選挙が常態化し、32年間も続いている大きな力中心の、安城の古い政治体制」からの脱却などを挙げている。


 新田町の安城総合運動公園の駐車場前には、安城市議会選挙のポスター掲示板が設置されていた。令和5年4月23日執行と書いてあり、今年行われる市議選の掲示板なのは確かだが、候補者のポスターが18枚しか貼れない。2月23日付中日新聞では、立候補者説明会には定数28人を大幅に上回る40陣営が出席したという。ポスターが18枚しか貼れないと何と定数にも満たないことになる。ちょっと辻褄が合わないので、これから県議選用に転用する計画かもしれない。

安城総合運動公園のポスター掲示板


2023年3月17日金曜日

安城市の立てこもり事件が全国ニュースに

 3月16日の夕方、東京在住の友人から「テレビで安城市の立てこもり事件を放映していた」と連絡をもらった。愛知のローカルニュースではなく、全国ニュースで安城市が取り上げられたということだった。2時間弱で事件は解決したが、やはり立てこもり事件は滅多に起きない重大事件と見做されるようだ。同日夜のNHKニュースで放映していた内容を見て、よく通る安城総合運動公園横の道路沿いの雑居ビルで発生したことを知った。

 17日付中日新聞によると、「16日午後2時35分ごろ、安城市新田町の雑居ビル3階にある人材派遣会社「榊原システム」で、男が暴れていると同社の社長を名乗る男性から110番があった。男は社内に1人でいた30代のパート女性に包丁を向けるなどして立てこもったが、同日午後4時20分ごろ、駆けつけた警察官に監禁容疑で現行犯逮捕された。女性にけがはなかった」。男は住所不詳、職業不詳の鈴木教仁容疑者(51)で、午後2時半ごろに会社を訪れた。鈴木容疑者は元従業員で、特定の個人名を挙げ、現場に連れてくるよう求めていたという。

 現場は名鉄新安城駅から南へ約1.6キロの住宅街と中日新聞は書いているのが、どちらかというとJR安城駅から1.4キロの飲食店や商店が点在する道路沿い。道路を挟んだ反対側にはPL(パーフェクトリバー)教団安城教会があり、近くには安城総合運動公園の公園エリアと駐車場がある。雑居ビルは3階建てで、1階に美容室、接骨医、2階に学習塾などが入居、榊原システムは3階の一角にある。「発生直後、現場から半径100メートルの範囲で規制線が張られたため、付近は一時騒然となった」(17日付朝日新聞朝刊)。

3月17日付中日新聞朝刊の社会面

 榊原システムは2017年10月に法人番号が指定された株式会社で、バイト情報サイトによるとドライバー、軽作業、リフトなどの職種に強い人材派遣会社という。鈴木容疑者は昨年7月に同社を退社していると17日夜のNHKニュース。「その後の調べに対して『解雇されて腹が立った』などと供述していることがわかりました」。「バールで事務所内にあるものを壊し、『社長を呼べ』などと要求したということです」。なぜか社長名は報道されていないが、SNSで2019年4月に脱税で告発された安城市の人材派遣会社「Uサービス」、実質的経営者の榊原修取締役と榊原システムの関係を疑う書き込みがあった。ブラック企業も多いと言われる中、社長名も含め榊原システムがどういった企業なのかも、どこかのマスコミにぜひ調べてもらいたい。

 〈追加〉 3月18日付中日新聞社会面で、「容疑者 元派遣先に不満か」の見出しで安城立てこもり事件の続報記事が出た。「榊原システムの事務所でバールを手に暴れ、パート女性に前社長を呼ぶように求めた」と書いてあるが、NHKニュースは「社長を呼べ」などと要求と放送している。中日新聞の方が正確だとすると、容疑者が勤めていた頃の社長は退任したことになる。NHKニュースの通りならそれを容疑者は知らなかったことになる。しかし、NHKニュースも中日新聞も社長、前社長の苗字すら報道していない。その点が個人情報にかかわる自主規制なのか、よく分からない。



 

2023年3月12日日曜日

まちのえき岡菊苑が最後の一般開放

 

 安城市朝日町にある初代安城町長・岡田菊次郎の本宅を活用した交流の場「まちのえき岡菊苑」が3月末で閉苑することなり、3月1日から15日まで一般開放されている。1867年に生まれ、1962年に死去した岡田菊次郎の自宅は碧海郡きっての穀屋となった父親が大正6年(1917年)に店舗も兼ねて建てたもので、朝日町商店街の中心通りの中にあり、安城の市街地では唯一の古い瓦葺き木造建築物とも言われている。この建物を安城市中心市街地活性化協議会が平成26年4月に交流の場としてオープン、各種イベントなどを開催してきた。

 岡菊苑の一般開放は、イベントの運営を担ってきたボランティアグループが多くの人々に築100年以上の貴重な建物を見てもらおうと開催したもの。「入ってすぐの土間には、昨年9月に発刊された菊次郎の生涯を分かりやすくまとめた冊子『安城のまちを創った男 岡田菊次郎』の原画パネルなどを展示し、所蔵品や中庭、茶室も見学できます」(2月24日付安城ホームニュース)。土間に接する畳敷き小部屋には帳場格子、小机、帳場箪笥、金庫などが並び、岡田菊次郎の大きな写真が掲げられている。
土間に菊次郎に関する資料を展示
昔の帳場を再現した土間に接する部屋
がらんとした2階も一般公開
 土間の入り口には机を設置、来場者に名前を書いてもらうと共に、岡菊苑の建物保存運動への賛同を求める署名を呼びかけた。中日新聞によると、安城市議会では8日、現在の安城の基盤をつくった岡田菊次郎が後半生を過ごした岡菊苑の保存についての質問があり、「取り壊しが予定されていると聞いているが、移築を含めた保存は経費、期間の面から断念せざるを得ない」という答弁があった。岡菊苑の中庭の奥には岡田家の住居があり、妻を亡くした後継者が1人暮らしをしていた。しかし、この後継者が最近急逝したことから、別の場所で暮らしている相続人が売却することを決めたという。住居の門は朝日町商店街とは反対の裏通りの方にあり、中庭、蔵を挟んで、全体の敷地はかなり広い。

 岡田菊次郎は碧海郡安城村戸崎(現安城市安城町)に生まれた。安城町長などを務め、安城を碧海郡の中心とするため、県立農林学校や紡績工場などの施設の誘致、警察署や郡役所の移転、道路整備を次々行った。町長時代に手がけた町道は100路線近くになり、当時の安城の道路整備は突出していたという。また、明治用水土地改良区の初代理事長も務めた。

中庭の奥に離れの茶室
隣に水屋も備えた茶室
岡田家の代々の当主
裏の通りにある住居の門








2023年3月9日木曜日

安城市榎前工業団地のアイシン新工場工事始まる

  トヨタ自動車グループのアイシン(本社刈谷市)は昨年秋、安城市榎前町で開発中の工業団地内に新工場を建築、JR三河安城駅前にある安城工場の生産機能を全面移転すると発表したが、すでに榎前町では新工場の地盤改良工事が始まっている。工場移転は11月25日付の中部経済新聞に掲載されたもので、安城工場の跡地にはスポーツ施設を建築し、運営するプロバスケットチームであるシーホース三河の本拠地として利用する計画が打ち出されている。

 アイシン安城工場の移転先である榎前工業団地(西工区)は、国道23号知立バイパス和泉インターチェンジの南西地域に安城市、愛知県企業庁が造成したもの。敷地面積は約13.8ha(うち0.8haは調整池)で、建通新聞社によるとアイシンは団地内の約10万平方メートルを取得、約半分のスペースを使って新工場建屋を建設するという。建屋の規模などの詳細については、まだ発表されていないようだ。

フェンスに覆われた榎前工業団地

フェンス内のアイシン工業用地

入口看板

 中部経済新聞では、新工場は2023年に着工、2024年末の稼働を予定と報道している。地盤改良工事が始まった工事現場出入り口前の看板には労災関係成立期間が今年1月10日とあり、1月に入ってから工事が始まったとみられる。出入り口は市道和泉榎前線に沿って並んでいるフェンスの真ん中付近にあり、同市道から直角に折れるフェンス沿いの小道の突き当たりが国道23号線の側道。フェンス内は土が剥き出しの造成地が広がっているが、市道側の一角には作業用簡易建物も建設されている。

 アイシンの進出が決定する前、2019年7月の共産党市議団議会報告で、榎前工業団地の東工区(約4ha)5区画が完売したが、西工区は2億7000万円で行っていた瓦くずなどの廃棄物処理がさらに5億円追加となったと報じている。追加費用が必要となったのは、土砂の粘性が非常に高かったため処理方法を分別機によるふるい分けから全量処分に変更したため。東工区は安城市が造成したが、西工区は安城市が愛知県企業庁に開発依頼しているという。

工業団地の調整池


 



 ア

2023年3月7日火曜日

高浜市吉浜地区で人形小路雛めぐり

 

 
 愛知県無形文化財・吉浜細工人形に出会える町、高浜市吉浜地区の人形小路で2月25日から3月12日まで、雛(ひな)飾りなどが並ぶ「人形小路雛めぐり」が開かれた。吉浜細工人形は360年以上も続く伝統の細工人形で、かつては吉浜地区には多くの商店が並んでいた。その賑わいを取り戻そうと平成18年に「人形小路の会」が発足、季節イベントの花まつり、菊まつり、雛めぐりを行っている。

 雛めぐりでは、飾られなくなった雛人形をもう1回違った形で飾る「福よせ雛」を展示すると共に、江戸時代から昭和までの古い貴重な雛人形を展示公開、3月4日までワークショップも行った。さらに沿道の郵便局、JAあいち、エディオンなどでも雛人形を展示、通常期同様に細工人形展示コーナーの公開も行われた。このほか、2月25日、3月4日には平安装束姿で子供たちが練り歩く「子ども雛行列」も行われた。


細工人形の常設展示館
郵便局にも雛人形を陳列
 メーンの福よせ雛は、なでしこジャパンが出場する女子ワールドカップサッカーと150年前の吉浜小学校をテーマに陳列。吉浜小学校は明治6年に創立、昭和7年に現在地に移転したが、福よせ雛では運動場で縄跳び、ブランコなどで遊ぶ男女の雛人形、瓦葺き平屋造りや鉄筋3階建ての教室で勉強する男女の雛人形をぎっしり陳列している。参加国の国旗をあしらった女子ワールドカップサッカーのテーマ陳列館では、入り口でワールドベースボールクラシックのミニ展示も行っている。
昔の小学校を雛人形で再現
教室の中にも勉強する雛人形
女子ワールドカップをテーマに福よせ雛


安城コロナワールドでベッソン監督『ドッグマン』を

     安城市の複合娯楽施設「安城コロナワールド」にあるシネマコンプレックスで、リュック・ベッソン監督のアクション映画『ドッグマン』を観た。同シネマでは「重低音×振動シアター」大きく宣伝しているが、たまたまドッグマンがこの設備をそなえスクリーンで上映されていた。このため、安城コ...