2022年5月14日土曜日

かわら美術館の復元ダ・ヴィンチ作品展

 

 レオナルド・ダ・ヴィンチの絵画など名作をデジタル復元、その復元作品を集めた「夢の実現展」が4月16日に西三河地方でスタート、7月10日まで開かれている。会場は高浜市やきものの里かわら美術館で、「モナ・リザ」、「最後の晩餐」など全絵画作品16点を中心に、彫刻作品1点、建築模型2点、工学系発明品のスケッチ及び模型12点が展示された。もちろん、かわら美術館は安城市内にはないが、私の自宅からは安城市街地よりもかなり近い。

 展示作品は全てデジタル再現されたもので、東京造形大学レオナルド・ダ・ヴィンチ再現プロジェクトが手がけた。ダ・ヴィンチは「67年の生涯で残した現存絵画は16点ほど。そのうち完全な姿で残っている完成品はわずか4点しかありません。そこで没後500年目にあたる2019年に、彼が実現できなかった夢を500年後の技術で実現したいという願いから、復元プロジェクトがはじまりました。」(展示会案内パンフレット)。

 中心となる絵画作品では16点の劣化の修復、未着色のものに色彩を施すなどのデジタル復元を行っている。未着色作品や消失部分は当時の同主題の宗教画を参考に、科学的根拠に基づいて創造復元したという。特に小型下絵しか残されていない「東方三博士(マギ)の礼拝」は、修道院の注文契約通りのほぼ正方形の大型サイズで、納品された代替作の色彩を参考に鮮やかに色合いで再現。また、制作直後から顔料層の剥離を引き起こし、湿気によるカビで黒く覆われていた「最後の晩餐」は、剥離部分を周囲の色で補い、イエスの足など完全に消失部分は弟子たちの残した模写作品を参考に復元している。このほか、「モナ・リザ」、「岩窟の聖母」、「ラ・ベル・フェロニエール」も鮮やかな色彩でデジタル再現されている。

 なお、日本の展示会として珍しく会場の作品は写真撮影自由で、SNSへの投稿も自由(フラッシュ撮影、動画撮影は禁止)となっているため、自由にブログに使わせてもらった。フランスではどこの美術館も写真撮影自由だが、どうして日本ではどの展示会もほとんど撮影禁止なのか未だよく分からない。

小型下絵から色付きの大型絵画に復元された東方三博士の礼拝

モナ・リザと岩窟の聖母パリ版(左)、同ロンドン版

鮮やかな色彩で再現された処女作品の受胎告知

ラ・ベル・フェロニエール
最後の作品の洗礼者ヨハネ



 

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