2023年6月28日水曜日

6月末で正文館書店かたは本店閉店も知立店は継続営業

  6月28日付中日新聞に名古屋市千種区の有名書店「ちくさ正文館書店」が来月閉店という記事が大きく載った。その記事の中に、6月30日に名古屋市東区の「正文館書店かたは本店」が76年の歴史に幕を下ろすという文章も入っている。同じ正文館書店なので一部ネット情報で混乱した記載もみられるが、運営会社は全く別で店舗の場所も違う。ただし、口コミネット情報では昭和36年創業のちくさ正文館書店は正文館書店本店から暖簾分けされたという記述があり、かつては系列だった名古屋市の正文館書店が相次いで閉店することになったと言える。

 正文館書店はかたは本店のほか、名古屋市緑区グリーンプラザの緑店、長久手市フレンドタウンの長久手店、知立市の知立八ッ田店の3支店があるが、これら支店は今後も営業を継続する。駐車場を備えた郊外型店舗の知立八ッ田店では今、入り口に「知立八ッ田店はこれからも存続していきます」という告知文を掲示。また、告知文では外商部も引き続いて営業、「今後とも変わらぬご愛顧のほどよろしくお願い致します」としている。知立八ッ田店は西三河では随一の品揃えの書店とも言えるので、ぜひ今後も営業を続けていってもらいたいと思う。 

郊外型の正文館書店知立八ッ田店


 正文館書店のウェブサイトでは次のようにかたは本店閉店について告知している。

 「 真に残念なことですが、名古屋市東区東片端町の本社の土地・建物と第1・第2駐車場の土地を売却することに致しました。これにより「本店」を来る6月30日をもって閉店致します。本社ビルは昭和39年に建ちましたのでもうすぐ60年を経過します。耐震補強工事もしてありませんし老朽化も進んで来ております。近い将来建替えをしなければならない状態ですが、現在の売上では建替資金の回収が困難です。併せてこれからの日本経済を考えると、先送りしては良くないと判断致しました。本店を閉め、初代が戦前に購入しその後維持してきた土地を売却することはまさしく断腸の思いですが、将来のために決断致しました。長い間のご愛顧、本当にありがとうございました。」



2023年6月26日月曜日

三井不動産が安城市大東町商業施設計画説明会開く


 安城市大東町に計画している大規模商業施設に関して、三井不動産は6月24日午前10時から安城市民会館大会議室で地元住民への説明会を開催した。同社は6月5日、愛知県商業・まちづくりガイドラインに基づいて愛知県に対して「安城市大東町商業施設計画」(仮称、ららぽーとの名称は未発表)の出店概要書を提出した。説明会は同概要書に沿って大東町など近隣の住民におおまかに説明、想定来店帰宅経路も含めて理解を深めてもらうため開催したもの。大規模小売店舗立地法の届出は来年3月に予定しているため、そのあとのゴールデンウィーク明けに再度説明会を開き、もう少し具体的になった計画について説明したいとしている。

 説明会では出店概要書をもとに三井不動産担当者、施工工事担当の熊谷組などが説明を行ったもので、概要説明のあと40分以上続いた質疑応答が中心となった。目新しい内容はほとんどなかったが、正面の県道47号から入る入り口2カ所のほか、裏の道路から出入りする敷地内通路も設けることなど渋滞解消のための方策の説明も行われた。駐車場は4階建て商業施設の周りに3棟の立体駐車場と3カ所の平面駐車場を配置、収容台数は約3200台になる。また、JR安城駅から近いことから、クラボウ工場東にあった出入り口を自転車と歩行者専用にする計画。

 しかし、大東町など近隣住民の車の渋滞に対する不安は大きく、質問も2車線しかない県道47号の渋滞問題、近くある中部小学校の通学路の安全確保問題に集中した。付近に競合する商店が少ないのか、商店関係者からの質問は一つもなかった。安城駅周辺の商店街に並んでいる店舗は店頭販売中心で営業しているところが少ないと言われ、三井不動産の大型商業施設が進出しても大きな影響は受けないかもしれない。

正面の県道47号は狭く渋滞問題が課題に

 なお、商業施設の物販店舗面積は4万1700平方メートル。2020年9月開業のららぽーと東郷は店舗面積6万4000平方メートルとなっているが、なぜか今回非物販部分の店鋪面積が発表されていないので、同じくらいの規模になるのかちょっと分からない。

 

2023年6月23日金曜日

三井不動産、再来年春開業の安城市商業施設概要発表

  

 三井不動産が安城市の商業施設「ザ・モール安城」跡地で計画している開発の概要が明らかになった。10.58万平方メートルの敷地内に、鉄骨造り4階建て、建築面積約5万平方メートル、延床面積約17万平方㍍の大型商業施設を整備する。愛知県経済産業局中小企業部商業流通課が「安城市大東町商業施設計画」(仮称)として公表したもので、どこにも商業施設の名称は記載していないが、おそらく「ららぽーと」の名称が付くものとみられる。大規模小売店舗立地法の届出は2024年3月の予定で、開業は2025年4月を予定しているという。

 安城市大東町商業施設計画の出店概要書によると、JR安城駅から約700メートルの近隣商業地域・工業地域に立地する土地を定期借地で開発する。中央の4階建て商業施設は1階から3階までの3フロアで店舗展開する(東側の別館のような施設は4階も使用)。商業施設の周りには約3200台が収容できる駐車場を5カ所に設置する。平面図をみると、駐車場1、2、3は4階建てで屋上まで使うようだ。駐輪場スペースは1200台。建物の着工は今年10月上旬の計画で、2025年3月上旬に竣工する予定。

 店舗面積は4万1700平方メートルで、午前9時から21時まで営業する。主な小売業者(キーテナントのことか)、その他の小売業者とも未定。「利用者層が同一の施設及び面積」が8340平方メートル、「利用者層が異なる施設及び面積」が4500平方メートルと記載してあり、平面図をみると1階から4階まで商業施設東側に別館のような非物販店舗ゾーンがある。シネコンなどアミューズメント施設か、シェアラウンジなどの設置を計画しているかもしれない。

 1階平面図


2階平面図


3階平面図


4階平面図


 なお、愛知県商業流通課の安城市大東町商業施設計画発表では「6月21日更新」としてあるが、出店概要書は6月5日付となっており、ウェブサイトにも平面図などと合わせて同日か、翌日から閲覧できるようになっていた。その後、平面図などにどこか変更があったのか、以前のものと比較できないのでよく分からない。





2023年6月16日金曜日

DCM小型業態のアットホーム安城東栄町店が閉店


 昨年9月に「DCM」に店名を統一したDCMカーマは、刈谷市に本社を構えて東海地方を中心に店舗展開している。特に愛知県には店舗数が多く、工具金物専門店のホダカを除くと現在、78店舗が営業している。このうち、安城市東栄町の旧東海道沿いに店舗を構えるDCMアットホーム(旧DCMカーマアットホーム)東栄町店が7月19日に閉店する。7月に入ったら分からないが、今のところ閉店セールなどを行う兆しはなく平常通りの営業となっている。

 ウィキペディアによると、DCMカーマの店舗の構成は通常のホームセンター(カーマ)、2500坪以上の大型店(カーマ21)・300坪程度の小型店(カーマアットホーム)・工具金物の専門店(ホダカ)・ホダカに建築資材などを加えたカーマプロ。東栄町店は小型店業態のアットホームで、近隣住民をターゲットにした小商圏のホームセンターとして営業していた。このため、熱心に通ってくる地元固定客も多く、閉店告知の看板を見てスタッフと閉店を惜しみ合う来店客が目に付いた。

 このアットホーム東栄町店が閉店しても、安城市内には赤松店、福釜店、安城店(池浦町)、住吉店の4店舗があり、他のホームセンターは進出していないので、依然としてDCM独占状態は続く。東栄町店入り口に設置された閉店告知看板では、閉店後の対応は名鉄新安城駅前の住吉店で対応するとしている。ちなみに、この看板では「諸般の事情により、閉店させていただくことになりました」と記載してあり、閉店理由ははっきり明記していない。再開発計画地でもないので、やはり店舗の業績が厳しい状況にあったとしか考えられない。

松並木のある旧東海道沿いに店舗

 小型店業態は西尾市のアットホーム一色店、幸田町のアットホーム幸田店、新城市のアットホーム鳳来店、アットホーム長篠店が営業中であり、愛知県内のすべての小型店がなくなるわけではない。

アットホームの商品構成


2023年6月12日月曜日

安城のホームセンターはDCMだけ、小型店閉店しても4店舗


  西三河でホームセンターといえばDCMで、豊田市、岡崎市にそれぞれ4店舗、刈谷市、碧南市に各2店舗あり、安城市には5店舗もある。このほか、知立市、高浜市にも1店舗があり、高浜市にはグループ店のケーヨーデーツーも出店している。最も多い安城市は安城赤松店、安城福釜店、安城店(池浦町)、安城住吉店、アットホーム安城東栄町店の5店舗で、他社が展開するホームセンターは1店舗もない。まさにDCM寡占状態だが、ちょっと店舗数が多かったのか、小型店業態のアットホーム東栄町店は7月9日に閉店することになった。

 全国に約670店舗を展開するDCMは、DCMカーマ、DCMダイキ、DCMホーマック、DCMサンワ、DCMくろがねやの名称を昨年9月に「DCM」に統一した。安城市内の店舗はDCMカーマの名称で営業していたが、現在はすべての店舗がDCMに変更され、看板、サインなどのロゴマークも一新された(閉店するアットホーム東栄町店のロゴマークはシール)。DCMグループは、2006年にカーマ・ダイキ、ホーマックが共同持株会社を設立し、2021年に事業会社5社が統合して「DCM株式会社」が誕生した。ロゴマーク変更、店名統一は完全統合の集大成として行われたもの。
 
 安城市内の安城赤松店と安城福釜店は車で5分弱の非常に近い場所に立地しているが、これはピアゴ福釜店の敷地内にあるDCM福釜店がもともとユニーグループのホームセンター「ユーホーム」として営業していたため。このユニーのホームセンター事業が2016年3月にDCMグループに譲渡されたことから、同店を含めて8店舗がDCMカーマに転換した。店舗自体の規模は赤松店の方が大きく、プロ用の工具など専門用品も多数並ぶ。一方、福釜店はピアゴの隣に店舗があるためついでに立ち寄るフリの客が多いようで、特に園芸用品の充実が目立つ。

ピアゴの敷地内で営業するDCM福釜店
園芸用品が充実のDCM福釜店
巨大店舗のDCM赤松店

 高浜市に出店するDCMグループのケーヨーは170店舗を展開しているが、DCMホールディングスの持分法適用関連会社としてグループに参加している。このため、品揃えはほとんど変わらなくなってきているが、店名は従来のままの「ケーヨーデイツー」を使っている。ちなみに、三河地方では高浜市のほか、岡崎市、幸田町にもケーヨーデイツーは出店している。

ケイヨーデイツー高浜店


2023年6月6日火曜日

西三河唯一のミニシアター「刈谷日劇」に話題作続々

 

 名古屋市内で単館ミニシアターが消えつつある。3月23日で開業20周年迎えた東区の「名演小劇場」が閉館、7月28日には千種区の「名古屋シネマテーク」が閉館することになった。いずれも来館客数の減少、収益の減少によるもので、愛知県のミニシアター文化は風前の灯火になってきている。このような中で、西三河唯一のミニシアターとして2スクリーンを持つ刈谷日劇が次々と内外の話題作を上映、注目を集めている。

 6月2日から15日まで地元刈谷市出身の前田直樹監督の「マリッジカウンセラー」を再上映すると共に、ウクライナ戦禍のドキュメンタリー映画「マリウポリ7日間の記録」、アカデミー賞男優賞受賞作「ザ・ホエール」などを上映。6月16日からはカンヌ国際映画祭75周年記念大賞受賞作「トリとロキタ」、シャルロット・ゲンズブール主演「午前4時にパリの夜は明ける」、ベルリン国際映画祭金熊賞受賞のドキュメンタリー映画「アダマン号に乗って」、6月23日からは阪本順治監督の時代劇「せかいのおきく」、6月30日からはカジノ誘致阻止のドキュメンタリー映画「ハマのドン」などが予定されている。

 ウェブサイトによると刈谷日劇は1954年に洋画専門映画館として開業、1971年5月に現在の愛三ビル5階に移転した。2012年から単館系ミニシアターとして営業しているという。大きいスクリーン1が77席で、スクリーン2は55席。どこか懐かしい昭和の雰囲気に包まれた場内で、スクリーンがちょっと小さい気もするが、映画が始まって仕舞えばそれほど気にならない。ビルの階段周りには公開中と近く公開の映画のポスターが張り巡らされている。

ビル横の名鉄三河線高架下に無料駐車場
ビル5階にある刈谷日劇の入口
77席のスクリーン1
 名鉄刈谷市駅から徒歩1分の交通至便の場所にあるが、入居するビル横の名鉄三河線高架下にはパチンコ店と共同利用の無料駐車場もある。ただし、ビルの1階から3階を占めていたパチンコ店が5月21日に閉店したため、今後駐車場が縮小されないか不安だ。それ以上に、ビル自体が古びてきているため建て替えにならないか危惧される。

話題作のポスターが並ぶ


2023年6月5日月曜日

刈谷日劇で刈谷出身前田監督「マリッジカウンセラー」舞台あいさつ

 

 刈谷日劇で刈谷市出身の映画監督・前田直樹監督作品「マリッジカウンセラー」が6月2日から再上映されているが、日曜日の4日、映画上映後に前田監督と主演の渡辺いっけいが舞台あいさつを行った。前田監督はこのほど地元の魅力の情報発信を手伝う刈谷市広報大使に就任したが、舞台あいさつには同級生など地元関係者も多数参加していた。

 マリッジカウンセラーは、昔ながらの結婚相談所の仲人たちの奮闘を笑いと涙を交えて描いたハートフル・コメディ。全編を渡辺いっけいの出身地である豊川市を中心に、蒲郡市、岡崎市など愛知県で撮影しており、昨年秋に愛知県内で先行上映された。全国で封切られたのは今年1月からで、刈谷日劇では昨年10月28日から30日まで先行上映、3日間とも前田監督が舞台あいさつを行ったという。
 
 今回の再上映の舞台あいさつには、前田監督だけでなく、渡辺いっけいも参加したことから、豊川市のホテルに宿泊して愛知県ロケに挑んだ撮影秘話なども紹介された。特に印象深かったのは、1日で撮影した料亭のシーン以外は、時間経過通りに撮影が進んだことから、俳優は時間経過の変化を表現しやすかったという言葉。渡辺いっけいが演じる昭和オヤジが徐々に変化していく姿が観客に訴えかけてくるのも、こういう撮影方法がプラスに働いたとみられる。

ビルの入口でも前田監督の舞台あいさつ告知
観客がこぞってスマホで記念撮影

 マジックカウンセラーは全編を愛知県で撮影したが、このロケ地をまとめたリーフレットを愛知県フィルムコミッション協議会が作成、蒲郡市観光案内所などで無料配布していた。また、刈谷日劇の入るビル階段には中日新聞に掲載されたロケ地マップも張り出している。




2023年6月1日木曜日

デンパーク大温室の一角で牧野冨太郎展

  

 安城産業文化公園デンパークでは5月17日から6月26日まで、大温室フローラルプレイスで「牧野冨太郎展」を開催している。NHK朝の連続テレビ小説「らんまん」の主人公のモデルとなった植物学者牧野冨太郎の紹介とゆかりの植物を展示しているもの。大温室の一角を使ったミニイベントだが、植物画の名手であった牧野の精緻な植物画も見ることができる。連続テレビ小説を見ている人はちょっと覗いてみると興味深いだろう。

 多くの人に植物への関心を持ってもらいたいと企画したもので、「日本には何種類の植物が生えている?」など子ども向けクイズのパネルも設置。また、牧野の誕生から94年の生涯をまとめた年表、花弁や種子など形態を精密に描いた植物画、押し花標本、牧野日本植物図鑑などのパネルも設置。さらに、クチナシ、キミノセンリョウ、タチバナ、カライトソウ、チャランなど、牧野が学名を命名した植物も展示している。

牧野冨太郎の精密な植物画も展示
牧野の一生をパネルで紹介

牧野が命名した植物を展示紹介

 パネルの一つには牧野の写真と共に次の言葉が記載されている。牧野冨太郎の言葉のようなつくりだが、内容から判断すればもちろん違い、不思議と言えば不思議な言葉だ。

 「自然に親しみ、熱心に見つめ 植物の世界に感動した94歳の人生じゃった。百年生きたとしても とうてい植物のすべてを調べて みんなに伝えることはできなかっただろうけど 高知県立牧野植物園をはじめ、さまざまな植物園や研究者、各地の植物愛好者たちが わしのしごとを受けついでくれておる。みんなもわしの意思をつないでくれたらどんなにうれしいか。草木はともだち。みんなも、野山に出かけ、たくさんの友だちをつくって なかよくあそんでほしいんじゃ。」

 企画協力は、高知県立牧野植物園、国立科学博物館、東京都立大学牧野標本館、日本植物園協会、練馬区立牧野記念庭園(あいうえお順)。

ミソハギの押し花標本と実物


安城コロナワールドでベッソン監督『ドッグマン』を

     安城市の複合娯楽施設「安城コロナワールド」にあるシネマコンプレックスで、リュック・ベッソン監督のアクション映画『ドッグマン』を観た。同シネマでは「重低音×振動シアター」大きく宣伝しているが、たまたまドッグマンがこの設備をそなえスクリーンで上映されていた。このため、安城コ...