2023年6月6日火曜日

西三河唯一のミニシアター「刈谷日劇」に話題作続々

 

 名古屋市内で単館ミニシアターが消えつつある。3月23日で開業20周年迎えた東区の「名演小劇場」が閉館、7月28日には千種区の「名古屋シネマテーク」が閉館することになった。いずれも来館客数の減少、収益の減少によるもので、愛知県のミニシアター文化は風前の灯火になってきている。このような中で、西三河唯一のミニシアターとして2スクリーンを持つ刈谷日劇が次々と内外の話題作を上映、注目を集めている。

 6月2日から15日まで地元刈谷市出身の前田直樹監督の「マリッジカウンセラー」を再上映すると共に、ウクライナ戦禍のドキュメンタリー映画「マリウポリ7日間の記録」、アカデミー賞男優賞受賞作「ザ・ホエール」などを上映。6月16日からはカンヌ国際映画祭75周年記念大賞受賞作「トリとロキタ」、シャルロット・ゲンズブール主演「午前4時にパリの夜は明ける」、ベルリン国際映画祭金熊賞受賞のドキュメンタリー映画「アダマン号に乗って」、6月23日からは阪本順治監督の時代劇「せかいのおきく」、6月30日からはカジノ誘致阻止のドキュメンタリー映画「ハマのドン」などが予定されている。

 ウェブサイトによると刈谷日劇は1954年に洋画専門映画館として開業、1971年5月に現在の愛三ビル5階に移転した。2012年から単館系ミニシアターとして営業しているという。大きいスクリーン1が77席で、スクリーン2は55席。どこか懐かしい昭和の雰囲気に包まれた場内で、スクリーンがちょっと小さい気もするが、映画が始まって仕舞えばそれほど気にならない。ビルの階段周りには公開中と近く公開の映画のポスターが張り巡らされている。

ビル横の名鉄三河線高架下に無料駐車場
ビル5階にある刈谷日劇の入口
77席のスクリーン1
 名鉄刈谷市駅から徒歩1分の交通至便の場所にあるが、入居するビル横の名鉄三河線高架下にはパチンコ店と共同利用の無料駐車場もある。ただし、ビルの1階から3階を占めていたパチンコ店が5月21日に閉店したため、今後駐車場が縮小されないか不安だ。それ以上に、ビル自体が古びてきているため建て替えにならないか危惧される。

話題作のポスターが並ぶ


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