3月16日の夕方、東京在住の友人から「テレビで安城市の立てこもり事件を放映していた」と連絡をもらった。愛知のローカルニュースではなく、全国ニュースで安城市が取り上げられたということだった。2時間弱で事件は解決したが、やはり立てこもり事件は滅多に起きない重大事件と見做されるようだ。同日夜のNHKニュースで放映していた内容を見て、よく通る安城総合運動公園横の道路沿いの雑居ビルで発生したことを知った。
17日付中日新聞によると、「16日午後2時35分ごろ、安城市新田町の雑居ビル3階にある人材派遣会社「榊原システム」で、男が暴れていると同社の社長を名乗る男性から110番があった。男は社内に1人でいた30代のパート女性に包丁を向けるなどして立てこもったが、同日午後4時20分ごろ、駆けつけた警察官に監禁容疑で現行犯逮捕された。女性にけがはなかった」。男は住所不詳、職業不詳の鈴木教仁容疑者(51)で、午後2時半ごろに会社を訪れた。鈴木容疑者は元従業員で、特定の個人名を挙げ、現場に連れてくるよう求めていたという。
現場は名鉄新安城駅から南へ約1.6キロの住宅街と中日新聞は書いているのが、どちらかというとJR安城駅から1.4キロの飲食店や商店が点在する道路沿い。道路を挟んだ反対側にはPL(パーフェクトリバー)教団安城教会があり、近くには安城総合運動公園の公園エリアと駐車場がある。雑居ビルは3階建てで、1階に美容室、接骨医、2階に学習塾などが入居、榊原システムは3階の一角にある。「発生直後、現場から半径100メートルの範囲で規制線が張られたため、付近は一時騒然となった」(17日付朝日新聞朝刊)。
3月17日付中日新聞朝刊の社会面 |
榊原システムは2017年10月に法人番号が指定された株式会社で、バイト情報サイトによるとドライバー、軽作業、リフトなどの職種に強い人材派遣会社という。鈴木容疑者は昨年7月に同社を退社していると17日夜のNHKニュース。「その後の調べに対して『解雇されて腹が立った』などと供述していることがわかりました」。「バールで事務所内にあるものを壊し、『社長を呼べ』などと要求したということです」。なぜか社長名は報道されていないが、SNSで2019年4月に脱税で告発された安城市の人材派遣会社「Uサービス」、実質的経営者の榊原修取締役と榊原システムの関係を疑う書き込みがあった。ブラック企業も多いと言われる中、社長名も含め榊原システムがどういった企業なのかも、どこかのマスコミにぜひ調べてもらいたい。
〈追加〉 3月18日付中日新聞社会面で、「容疑者 元派遣先に不満か」の見出しで安城立てこもり事件の続報記事が出た。「榊原システムの事務所でバールを手に暴れ、パート女性に前社長を呼ぶように求めた」と書いてあるが、NHKニュースは「社長を呼べ」などと要求と放送している。中日新聞の方が正確だとすると、容疑者が勤めていた頃の社長は退任したことになる。NHKニュースの通りならそれを容疑者は知らなかったことになる。しかし、NHKニュースも中日新聞も社長、前社長の苗字すら報道していない。その点が個人情報にかかわる自主規制なのか、よく分からない。
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