大雨の時の雨水を貯める調整池として活用され、隣には公園も設けられている安城市大東町の大池。平日でも釣りを楽しむ人も見えるが、もともとは紡績会社の工場が進出した時、敷地を埋め立てるための土を掘り取った場所という(市教育委員会「安城歴史の散歩道」のパンフレット)。面積は約1.5ヘクタールで、雨水を貯められる量は約2万6700立方平方メートル。
紡績会社は「内外綿株式会社」(戦中に軍需工場へ転換し、昭和26年に倉敷紡績が工場設置)。安城歴史の散歩道によると大池は昭和6年に明治用水管理組合が購入し、干天時に備えた貯水地として利用、平成18年に防災上の必要性から洪水時の貯水地として整備され、大池公園として人々の憩いの場となっているという。明治用水管理組合はその後いろんな変遷を経て、明治用水会館に事務所を構える明治用水土地改良区となっており、現在も大池を所有している(公園の方は安城市に委託管理)。
一周が約600メートルという大池のほとりには88の仏像が並んでいるが、これは徳島、高知、愛媛、香川の各県にある88カ所の霊場を大池を回るだけで巡拝できるようにしたもの。大池のほとりに昭和16年に建てられた曹洞宗大平寺が設置したもの。この寺には等身大の修行時代の弘法大師像、4間半4面方形づくりの弘法堂が設置されているが、それ以上に目立つのは高さ7.2メートルの石づくりのねがい観音。さらに境内には、愛知県養鶏組合連合会安城市部が昭和17年に建立した鶏霊塔と、御幸本町から移設された鶏霊塔も隣に建っている。
大池公園のすぐ隣には明治用水会館と水のかんきょう学習館が設置されている。特に2階建ての水のかんきょう学習館は公園と繋がったようなつくりで、主に子どもたちを対象に明治用水の開発目的、歴史などが分かりやすく展示されている。
大池のほとりには広い公園 |
大池を一周すると霊場88カ所巡りができる |
0 件のコメント:
コメントを投稿