2022年6月1日水曜日

安城市に81町内会

広報あんじょう5月号に掲載の町内会PR


  安城市内には81町内会(一部団地などの自治会含む)がある。人口18万9千人、世帯数7万7千7百世帯の同市は77の町で構成されており、何と町の数より町内会の方が多い。このため、マンションやビジネスホテル、郊外店などが並ぶ三河安城東町、三河安城南町以外、ほとんど市内の町を町内会が網羅している。もちろん、全世帯が町内会に加入しているわけではない。地縁関係の濃厚な田園地帯にも都市化の波が押し寄せ、2月3日付の中日新聞西三河版では安城市全体の町内会への加入率は約7割で、中には5割以下というところもあり、未加入世帯が徐々に増えてきていると指摘している。

 中日新聞で取材協力したのは、安城市の市民生活部市民協働課。市のホームページに「町内会に入りましょう」というページを設けると共に、定期的に月刊広報誌に町内会への加入促進記事を入れている。今年5月号では、「町内会は、安全・安心、交流、環境美化、福祉等の活動や、行政のパイプ役として、住みよいまちづくりを行っている、私たちの一番身近な自治組織です」とアピール。主な町内会事業として、交通安全・防犯活動や防災訓練、交流イベントの開催、ゴミステーションの管理、高齢者の見守り活動、行政への土木事業要請を挙げている。町内会は強制加入団体ではないが、補助金を得てゴミステーションの管理・清掃を担っていることから、加入しない世帯には行政サービスが一部受けられないこともある。

 市民協働課の列挙するのはメリットばかりだが、実際には因襲に囚われた町内会の暗黒面に直面することもある。特に理不尽に感じることは神社費(氏子費)の一律徴収。多くの安城市町内会では氏神を祀り、第二次大戦中には戦勝祈願を行っていた神社が旧村社として残っている。それら神社は住職一家が住んでいる寺院と違つて、神事が行われる日以外ほとんど無人状態。境内管理や収支決算も町内会が行い、一律で神社費、祭事余興費を徴収しているところが多い。町内会の神社への支出は、宗教上の参加を強要し信教の自由を侵害するものとして、民法の趣旨に照らして違法な行為という判決が出ているにもかかわらず。

 都市化の進む二本木連合町内会では神社費は任意の徴収で会計決算も公表しているが、こういったオープンな町内会は市内では少ないとみられる。加入世帯数すら非公表というほど閉鎖的な町内会もある。賦課金については、高棚町内会では町内会費とブロック費に分けて徴収、補助金を出している市に提出義務のある町内会費ではなく、ブロック費に神社費、祭事余興費、安城神社(靖国神社から戦死者分霊)奉賛金などを含めて一律に集めている。しかも、総会はブロック(5ブロック)ごとで、神社費一律徴収への反対意見は「上に上げて協議して回答」と巨大な官僚組織のような状況に陥った。3月から私はその回答を待っている。

 ちなみに、旧村社は市内に41社あり、都市部を除けば世帯数の多い町内会には旧村社が1社存在するといった状況にあるようだ(一覧表の作成を検討中)。

高棚町内会
福釜町内会
東端町内会
榎前町内会
箕輪町内会

和泉町内会
北明治町内会連合会

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