安城市歴史博物館はNHK大河ドラマ「どうする家康」に合わせ、2月4日から3月19日まで「特別展 家康と一向一揆」を開催、関連イベントとしてロビーで「歴博福よせ雛」を開いている。大河ドラマで3週にわたって放映された三河一向一揆を約150体(中日新聞)-約200体(安城ホームニュース)のひな人形で再現、野寺町の本證寺での戦いなどが細かく描写され、見学無料、写真撮影やSNSで情報発信も自由ということもあって入館者に人気を集めている。
福よせ雛は「家康と一向一揆エピソード集」として、本證寺の山門前で住職の空誓と境内に捜索に入ろうとする当時西尾城主の酒井正親が対峙する場面、一揆方に加勢していた家臣の土屋長吉重治が家康の窮地を救ったという上和田の戦いの場面、門徒武士たちが本證寺に忠誠を誓う連判状をしたためている場面などを再現。さらに、安城市の小川安政の地(現小川町)で円光寺住職の順正が本證寺住職空誓の身代わりとなって、丘の上から身を投げたエピソードも挿入。同場面近くに立ち小便中の浪人がいるが、鷹狩りの家康が谷を挟んでいるのに自分に向かってしていると腹を立てたため、浪人が寺に逃げ込んだ場面を表しているという。
家康と本多忠勝、酒井正親ら家康軍 |
丘の上から身を投げる円光寺順正 |
各エピソードの中では家臣がどちら側についたかも表示され、学術資料展のような特別展より分かりやすいと見入っている来場者も目に付いた。ただ、人数が絞り込まれ、一向宗側についた家臣として再現されているのは本多正信、蜂屋貞次のみで、家康側の家臣も再現されているのは石川数正、本多忠勝、酒井正親だけなのはちょっと寂しい。このほか、エピソードに全く関係なく、家康が尊敬する祖父の松平7代・清康、松平5代・長忠、松平3代・信光も特別に登場している。
2月25日付中日新聞によると、福よせ雛は「使い終わったり古くなったりして不要となったひな人形を活用し、馬や衣装などの小道具は職員が手作りした。構想から半年をかけたといい、同館の井上宗一郎さんは『一向一揆のことを、気軽に楽しんでもらいながら学んでほしい』と説明した」。
本證寺に忠誠を誓う連判状をしたためる |
家康の尊敬する祖父の松平清康 |
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