高棚町の神明神社は安城市高棚町中敷164番地にある宗教法人で、都道府県知事所轄単位宗教法人に分類されている。所轄は愛知県庁で、愛知県知事の認証を経て法人格を取得している。法務局によって法人番号を指定された宗教法人情報を提供している「Japanese Religions」サイトによると、国税庁によって法人番号は交付されているが、なぜか代表者名、電話番号、メールアドレスなどはまだ登録されていないという。
この神明神社には常駐している神主など神職はいない。戦後のGHQの神道指令によって村社ではなくなっているが、その村に代わって運営しているのが住民自治組織の高棚町内会である。役員には神明神社の氏子総代、神社係、宮係、神社余興委員、芦池神社(飛地境内社の神明社)の宮係が設けられ、ブロック費(東・西・南・北と新池の5ブロック)で年間2000円の氏子奉賛金を徴収している。町内会員は約1150戸であり、ざっと230万円を町内会から神社の運営費に充てていることになる。もちろん、これだけではない。伊勢神宮と高棚神明神社の大麻販売も町内会を通じて行っており、いずれも9割くらいの世帯が購入しているとみられ、200万円近くの金額になる(伊勢神宮大麻は1000円のうち半分が神社本庁からキックバックか)と推測される。新年初穂料、賽銭などもあるが、まさに町内会が全面的に神社運営を支えている。
平成14年4月の佐賀県鳥栖市の自治会神社関係費訴訟では、自治会・町内会の神社への支出(氏子会費)は、宗教上の行為への参加を強制するもので、民法の趣旨に照らして違法な行為であるという判決が出ている。訴えていたのは浄土真宗本願寺派の信者夫婦で、同宗の開祖である親鸞は「神祇不拝」と神道の神々を拝むことを遠ざけているという。新潟市中央区では自治会・町内会Q&Aで、「氏子会費の集め方はこれまでの慣習で取り組んでいる面がありますが、会員から疑義の声が上がるようでしたら、総会や役員会で話し合ってください。集め方も自治会・町内会費とは別に、会計を設けて氏子で管理し、個別に会費を徴収するなど、地域の実情に応じた一番良い方法について話し合って下さい」としている。やはり、氏子組織をきちんと確立、町内会ではなく同組織が神明神社を運営していかなくてはいけない。そうでなければ日本憲法にうたわれている信教の自由を守ることはできない。宗教上の信念から神道とは相容れない住民もかなりいるはずである。
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