神明神社は、伊勢神宮を総本社として天照大神を祀る神社である。島田裕巳著『なぜ八幡神社が日本でいちばん多いのか』によると、神明社、神明宮、皇大神社など伊勢神宮関係の神社は全国に4千425社あり、八幡信仰関係の神社に次いで多いという。安城市内でも福釜町、高棚町、箕輪町の3カ所に神明神社、西別所町、東別所町、山崎町、石井町、小川町の5カ所に神明社、さらに宇頭茶屋町に内外神明社、河野町に神明宮と、伊勢神宮関係の神社は全部で10社もある。
これら10社のうち旧郷社である小川町の神明社(小河天神社合殿)を除くと、旧指定村社の高棚町・神明神社は最大規模と言える。境内の面積は1千750坪で、225坪の飛地境内社の芦池神社や秋葉社2社も持つ。愛知県神社名鑑によると、桓武天皇の延暦年中(782-806)に村内に鎮座し、文保2年(1318)に今の社地に遷座、明治5年に村社に列し、同40年10月に指定社となったという。記述では現地に創建されたのは鎌倉時代と歴史のある神社と言えるが、当時水源の乏しい地域だけに村も小さいはずで、神社も祠がある程度ではなかったかと思われる。
現在では森と一体化したような緑に囲まれた広い境内には、二つの鳥居、拝殿、中殿、本殿、社務所、詰所、さらに神楽殿、秋葉社、津島社など境内社6社が並び、道路側には巨大な戦没者慰霊碑も設けられている。しかし、周りの地域の神社同様に神主など神職は常駐しておらず、通常は社務所は無人で境内は閑散とした雰囲気。もちろん、参拝者もほとんどいない。
神社のすぐ隣には、明治用水開削の測量に携わった石川喜平の功績を後世に残すため整備された喜平公園がある。
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