里町の旧鎌倉街道沿いにある不乗森(のらずのもり)神社は、狛犬の替わりに2匹の猿が拝殿前に鎮座する。同社ではこの猿を「神猿=マサル」として、“勝る”、何よりも美しいものを内蔵した正義の象徴として伝えてきているという。安城市内の神社としては珍しくウェブサイトを開設しており、神猿の由来と意義について説明し、「八幡様は鳩、春日様は鹿、熊野様は鴉、当社は猿、共に神様の御使として古くから大切にされてきました」と記述。境内には、「見ざる」「言わざる」「聞かざる」の三体の猿の石像も設置している。
旧郷社の不乗森神社は、ウェブサイトによると、冷泉天皇の安和年間(968-970)に近江国坂本の日吉大社から祭神・大山咋神(おおやまくひのかみ)の分霊を勧請したと伝わる。境内北を鎌倉街道が通り、通行時に馬に乗る人は下馬した上で拝礼したことから、「駄野森(のらぬのもり)」とも言われていたが、明治維新で不乗森神社になった。また、庶民はもとより武将の崇敬も厚く、領主水野右衛門忠政などの献納した物も神宝として保存されている。
境内の面積は3千630坪。本殿、拝殿の前に神楽殿があり、末社の神明社、東日吉社、厳島社、秋葉社、山神社、津島社、稲荷社が並び、さらに天満社の小さな祠、安産祈願の子安石、幸福釜も。また、白壁の洋館のような社務所、神社横手の幹線道路沿いに二、三十台停められる広い駐車場も設置されている。土曜にはちらほら家族連れやアベックの姿もあり、旧郷社だけあって地域住民だけではなく、遠方からの参拝客もいると見られる。ちなみに、令和4年3月現在の里町の世帯数は3千941世帯。
ずらり境内末社 |
境内の裏は竹林 |
広い駐車場 |
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