2022年6月12日日曜日

明治用水中井筋


  明治用水は愛知県中央の矢作川を水源にして、安城市を中心に豊田、岡崎、知立、刈谷、高浜、碧南、西尾の西三河各市を潤す農業用水で、工業用水としても利用されている。水は豊田市にある明治用水頭首工から取水して、幹線水路、小幹線水路などを通って地域の用水路に供給される。幹線水路は明治本流からまず東井筋が分岐、安城市に入って中井筋と中央部を流れる西井筋に分かれ、中井筋は一部刈谷市を通って高浜市に流れ込んでいる。約86%がパイプライン化され、その上部には自転車道や遊歩道がつくられている。中井筋では水が流れている水路も多いが、これら水路の大半は排水路で、実際の明治用水は遊歩道下に流れている。
 
 安城市総合運動公園北から南西方面に分かれる中井筋は、用水路が全長8420mで、排水路が8848m(西井筋は0m)。三河安城駅横の線路に至るまで自転車道と遊歩道がきれいに整備され、約300本の桜が植えられている。途中には昔の明治用水をイメージして水の流れを再現した「大道山せせさぎ」を設け、さらに水車を使った小水力発電機も設置している。また、JR三河安城駅北口には「二本木分水工」という施設がある。市教員委員会の「安城歴史の散歩道」によると、分水工は水路の流水を必要な箇所へ分流させる施設で、ここでは中井筋の水を神楽山用水、新道用水、蝮畔(まむしぐて)用水の3本の支流に分岐している。このほか、三河安城駅南口には地上を流れる用水を見ることができる中井筋親水施設がある。

    二本木地区を超えて、デンソー高棚工場の近くまで行くとまだ遊歩道の整備事業が継続中の場所もある。西三河農林水産事務所の看板によると、以前の中井筋水路はコンクリート三面張り構造だったが、施設の老朽化と都市化による排水不良が進んだため、治水機能の保全と水辺環境の保全を目的に水路整備を実施。さらに地域コミュニティの場としての利活用を図ることを目的に、遊歩道を主体に整備しているという。実施年度は平成21年度から令和5年度までとあり、まだしばらくは工事が続くようだ。

 看板の断面図を見ると外に出ている水路は全て明治用水排水路で、明治用水の水はパイプの中にしか流れていないことに気づく。最近の頭首工漏水の時も外の水路が少なくなっていると観察していたが、完全な間違いだった。

地下の明治用水と自転車道の中井筋が分かれる分岐点
桜並木
水車発電
用水を支流に分岐する二本木分水工
親水施設
まだ工事が続く遊歩道の整備
明治用水は遊歩道下のパイプを流れている












 

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