2022年6月26日日曜日

アーケードのある朝日町商店街

 JR安城駅南口には御幸商店街、花ノ木商店街、セントラル商店街、末広商店街、本通り商店街、朝日町商店街、日の出商店街の7つの商店街が並んでいるが、このうち唯一アーケードを備えているのが約80店が振興組合に加盟する朝日町商店街。ガス灯の雰囲気も漂う街灯、歩道を覆う褪色したアーケード、その下に掲げられた古びた看板など、どことなく昭和の香りが漂う商店街らしい商店街となっている。立ち並ぶ商店も中には現代的な意匠の店舗もあるが、昭和のスタイルで営業する老舗も目立つ。

 昨年発刊した商店街の小冊子では、朝日町商店街振興組合石川正信理事長(アイライフ石川)が次のようにコメントしている。「1970年に朝日町商店街が設立されて51年。1954年、第1回安城七夕まつりの開催。この頃安城七夕まつりや商店の売り出しとなると、道は人で埋め尽くされていました。そこから道幅が広くなり、歩道ができ、アーケードが設置され‥‥と、安城駅・南安城駅を中心に商店街の買い物がしやすくなっていきました」。アイライフ石川によるとアーケードの設置は安城駅前都市改造計画の一環として始まり1973年に完成、1982年には街灯も設置された。

 現在、アーケードは追田川東から朝日町東の交差点までの300メートル強続いているが、店舗の新築でなくなっているところもある。また、商店街の始まる朝日町西の交差点から追田川まではアーケードはないが、街灯だけは並んでいる。このあたりには、大野屋(惣菜)、ティンカーベル(ケーキ)、金十ポンプ工業所(設備工事)、フルーツの金魚屋、人形の金魚屋などビル化した店舗が並んでおり、もともとはアーケードになっていたのかどうか分からない。

















アーケード下の看板もレトロ


空き地に前にもアーケードは続く
駅前から追田川まではアーケードはない
 
 アーケード街の昭和感漂う店舗としては、日昇堂表具店、鈴木小鳥店、レディスファッション松屋、名盤堂、杉本時計店、深津商店などがある。このうち日昇堂表具店は襖や障子の張り替えを中心に90数年の営業という老舗で、「表具師」の看板を掲げるガラス戸のレトロな店づくりが目に付く。鈴木小鳥店も1945年創業という老舗で、ガラス戸を開け放した店内ではインコや文鳥など人気の鳥から珍しい鳥・家禽まで多種多彩な鳥を販売している。名盤堂は組合に加入していないのか朝日町商店街の冊子に店舗紹介がないが、CDのほか、アナログレコードも揃えているようだ。

 なお、かつて安城中央商店街連盟が発行していた広報誌「Akindo」の2015年10月付・第9号で、特集「朝日町の逆襲」を掲載した。2017年開業のアンフォーレによって人通りがさらに減るという危機感から、賑わいを取り戻すための専門機関「國立経済研究所」を立ち上げたと紹介、同研究所所長と商店街幹部との座談会を掲載した。その後ろで、まちづくりコーディネーターが「まちの変化とともに、新たな動きが芽吹き始めています。中心市街地商店街は3年後、5年後とさらに大きく変わっていきます。是非、生まれ変わりつつある中心市街地の商店街に目を向けて頂きたい」とコメント。現在も中心市街地商店街は厳しい状況が続いており、近く3商店街が合併する方針を打ち出した。朝日町商店街はそこに入っていないが、すでに経済研究所は撤退、賑わいを取り戻すための有効な手立ては依然として見出せていないような気がする。

表具店
前面がガラス戸の鈴木小鳥店
朝日町東の交差点でアーケードは終了


  
 

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