朝日町西交差点から追田川にかけての朝日町商店街の一角に、木の格子、屋根瓦が目を引く2階建ての古民家がある。この民家は初代安城町長だった故岡田菊次郎が晩年を過ごした家。現在は市民の憩いと交流のスペース「まちのえき岡菊苑(おかぎくえん)」として一部開放され、市民ボランティアの運営でイベントや教室などが開催されている。
まちのえき岡菊苑前の市教育委員会のボードによると、岡田菊次郎は1867年の生まれで、父は穀屋(こくや)「安覚」を営み、蒸気機関による精米所を持つなど碧海郡きっての穀屋となり、1917年(大正6年)に岡菊苑の建物を建てた。菊次郎は1892年に26歳で村議会議員となり、助役、町長、県会議員、明治用水普通水利組合の役人、さらに戦後は明治用水土地改良区初代理事長として地域に発展に奔走。業績として、安城を碧海郡の中心とすべく県立農林学校や紡績工場などの誘致、警察署、郡役所の移転、道路整備などを成し遂げた。さらに安城町商工会をつくり、安城駅を中心に道路を放射状に整備するなど現在の市街地の産みの親ともなった。
岡菊苑は中心市街地の魅力向上を目的に安城市中心市街地活性化協議会のプロジェクトチームが企画、菊次郎が晩年を過ごした居宅を人々の憩いの場として平成25年(2013)10月にオープンした。翌年4月の広報あんじょうでは、「安城の歴史や菊次郎に関するパネル、岡田家秘蔵の品等が展示されています。毎週土曜・日曜日の午前10時から午後4時まで一般開放されており、第2土曜市やコンサート等様々なイベントも開催されている」と岡菊苑を紹介。問い合わせは市の商工課と記載しているが、現在はすでに市は運営に関与せず、市民ボランティアがイベントや各種教室を運営する形になっている。土・日曜の一般公開もしばらくは行われていたが、来館者が少なかったこともあって自然消滅、今は全く行われていない。
イベント、教室のスケジュールは市民ボランティアが毎月チラシを作成、配布している。教室は生花教室、洋服のリメイクの教室、猫のしつけ教室、折り紙教室などいろんなものが開かれているが、7月10日の2日曜には初めて古民家カフェを開催する。来店者には大正時代に建てられた苑内もゆっくり見学してもらいたいという。
明治用水会館のある岡田菊次郎銅像
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