11月27日、安城市御幸本町のアンフォーレで「西三河伝統芸能フェスティバル」が開催された。安城、刈谷、知立、高浜、碧南、西尾という西三河の「伝統芸能」、「伝統工芸」が体験できる初企画イベントで、主催はトヨタエンタプライズ、キャッチネットワーク共同企業体。エントランススペースに伝統工芸のブースを設けると共に、1階中央のホールで各地域の伝統芸能が披露された。このうち安城市の伝統芸能としては三河万歳のほかに、踊りなど安城芸妓の艶やかな芸が披露された。
安城芸妓組合のフェブサイトによると、明治用水開削によって農業先進地となった安城市には大正初期から昭和にかけて全国各地から視察者が急増し、接待役として安城芸妓が誕生、花街も急速に発展した。その後、第2次世界大戦で陰を潜めていた花街も芸妓と共に復興、昭和26年ごろから企業の進出などもあり、芸妓も最盛期には100人近くまで増えた。平成に入ってバブル経済の崩壊と共に、芸妓も減少の一途をたどり一時は数人になった。コンパニオンの出現などによって全国的な傾向で、愛知県内では芸妓が活躍するのは名古屋と安城だけになった。
安城芸妓組合の芸妓は現在12人で、今年4月に5年ぶりに大学を卒業したばかりの新人が加わった。芸妓たちは日中に踊り、三味線、鳴り物、笛を学び、夜は市内の宴席で接客を行っている。地元商工業界を中心にした後援会組織「安城芸妓文化振興会 笑美素(えびす)会」が2002年に発足、稽古代などを支援しているという。11月23日には、この笑美素会20周年記念の披露会がへきしんギャラクシープラザで開催された。
三味線、太鼓、鼓、小唄と踊り |
音楽に合わせて3人踊り |
アンフォーレでの芸披露は午後2時からの20分間余りで、芸妓10人による三味線、太鼓、鼓の演奏、小唄と踊り、さらに音楽に合わせた3人の踊りを披露(各曲目はメモしていないので不明だが、12月26日午後1時からKATCH地上デジタル121chで特別番組として放映される予定)。最後に、子どものころに聴いたことのある懐かしい島倉千代子の「安城小唄」に合わせて、10人が華やかな踊りを繰り広げた。
個人的な思い出になるが、自営業を営んでいた亡父が桜の咲く岡崎公園で宴席を設け、1人の安城芸妓を招いたことがあった。昭和の高度成長期であったが、昼間の宴席にいったいいくら請求されたのだろうかちょっと気になる。ちなみに、現在の芸妓1人の基本料金(2時間)は16,500円(税込)、延長料金 20分につき2,750円(税込)とウェブサイトに出ている。ただし、安城料理業組合加盟店以外への出張には車代と片道分の花代が必要という。
フィナーレは安城小唄 |
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