2022年11月7日月曜日

有形文化財の西尾市岩瀬文庫旧書庫を特別公開

 

 西尾市岩瀬文庫、市立図書館で10月29、30日、3年ぶりに「第17回にしお本まつり」が開催され、国登録有形文化財の岩瀬文庫旧書庫の内部が特別公開された。岩瀬文庫は明治41年に実業家の岩瀬弥助が独力で設立した古典籍主体の私立図書館で、当初は敷地内にの園遊会が催せる庭園、猿舎なども備えていた。戦後に西尾市が運営を引き継ぎ、平成15年に古書ミュージアムとしてリニューアルした。その時に最新設備の収蔵庫を建設したことから、赤レンガの旧書庫は使われなくなり、本まつり期間中だけ内部を特別公開している。

 旧書庫は大正8年ごろの地上3階、地下1階建て建物で、西尾で唯一の現存レンガ造り建築物である。入り口の説明板によると、土蔵の大壁をレンガに置き換えた構造で、木造の小屋組に瓦を葺(ふ)せた屋根を造っている。内部は木造で、柱を立てて梁を渡し、少しずつ隙間をあけて床を張り、壁を漆喰塗りにしている。外部には玄関の外観、軒先窓台に洋風意匠が見られ、外壁の表面にはレンガに似せたタイルが張られている。

上に天井のある旧書庫3階

トラス構造の木組で屋根を支える天井

床はすべてスノコ状

並んでいる書籍は見本

 本まつりの旧書庫特別公開では、一部見本に書籍を置き、大部分は空の木製本棚がぎっしり並ぶ書庫の内部をボランティアスタッフの案内で見て回った。特に一番上の3階では、三角形を基本単位としてその集合体で構成するトラス構造の天井が目に付いた。また、1階から3階までの床がすべてスノコ状になるなど、書籍にダメージの少ない構造の建築物となっているのに気づいた。帰りに受付でもらった初期の岩瀬文庫の敷地図には正門が描かれ、建物の裏には何と広い庭園が広がっている。
 
 本まつりでは、岩瀬文庫前の屋外で古本市、古本・雑貨のフリーマーケットを開催すると共に、食べ物屋台が出店。このほか、図書館前では西尾市ゆかりの作家の著書を集めて販売するコーナー、おもちゃ病院コーナーを展開。このほか、嵯峨本の講演会、絵本講座&おはなし会、紙芝居の実演なども行った。








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