2023年1月19日木曜日

西三河でステルス布教を行う親鸞会

 
 
 高森顕徹(たかもりけんてつ)著『歎異抄をひらく』は61万部を発行したロングセラー本で、安城市内の精文館書店でも昨年レジ前に陳列されていた。本の紹介欄には富山県出身、龍谷大学卒業としか書いてないが、著者の高森顕徹は浄土真宗親鸞会の創立者で現会長。書籍の発売元の1万年堂出版は親鸞会の出版部門であり、同じ高森会長の著書や監修本を多数出版している。また、『歎異抄をひらく』をアニメ化した制作会社のチューリップ企画も親鸞会の関連会社で、アニメ映画『なぜ生きる』も制作している。

 親鸞会は新宗教ではなく浄土真宗の1宗派と主張していることから、当然とも言えるが新日本宗教団体連合会には加盟していない。このため、新宗教を紹介する書籍にはあまり取り上げられていない。新宗教研究会の『新宗教ガイドブック』にも掲載されていないし、宗教学者島田裕巳の著書『日本の10大新宗教』(幻冬社新書)、『日本の新宗教』(角川選書)にも一切出てこない。しかし、島田裕巳の『平成宗教20年史』(幻冬社新書)にはほんの少しだけだが、「平成18年摂理とキャンパスのカルト」の項目で取り上げられている。

 一部抜粋すると、「名称からすると、既成仏教教団である浄土真宗の一派ではないかと思われるかもしれない。だが、親鸞会は高森顕徹というカリスマ的な指導者を中心に、積極的な勧誘活動を展開している点で、新宗教としての特徴を示している。そもそも浄土真宗の場合には、僧侶になるために特別な修行を必要とせず、僧侶と俗人の区別が明確でない。新宗教の特徴は、俗人の組織である点に求められるが、その点で浄土真宗に近い性格をもっている」。特に大学生への勧誘での問題は、宗教団体であることを明かさず、一般のサークルであるように装って勧誘を展開していると指摘。「勧誘のためのシステムは確立されており、勧誘される側には、それが分からないようになっている」。

よく見かける高森顕徹の著書の新聞広告
1万年堂出版の雑誌「月刊なぜ生きる」も新聞広告で定期購読募集

 最近は大学での正体を隠した偽装勧誘は、大学当局の防衛手段によって少なくなってきているようだ。それに代わって、親鸞会では「公民館や市民センターなど各地で正体を隠したアニメ上映会や、仏教講師による講演会を行っている」(ウィキペディア)。正体を隠した仏教講師による歎異抄、正信偈などをテーマにした学習会は安城市、刈谷市、豊田市など西三河地区の公共施設で頻繁に開かれている。浄土真宗が浸透する地区で同宗の一派と主張する親鸞会のステルス布教が活発化しているわけだが、既存の真宗大谷派の寺院は状況を理解しているかどうか分からないが、何ら対策を打っていない。

 

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