安城市はNHK大河ドラマ「どうする家康」の放送に合わせて、家康ゆかりの地としての安城をPRする宣伝活動に力を入れ始めた。「家康公 天下への始まりの地 安城」のタイトルでカラー刷りPRブックを作製すると共に、JR安城駅前の市観光案内所キーポートで同タイトルのパネル展示を開始した。もちろん、三河で家康と言えば岡崎城のある生誕の地の岡崎市だが、家康の祖父に当たる清康までの安城松平家4代が安城城を居城にしていたことから、家康のルーツは安城松平家としてアピールしているもの。
キーポートのパネル展示では、入り口にPRブックの表紙と裏表紙「家康公ゆかりの地MAP」を引き伸ばして展示。続いて安祥(安城)城址、本證寺を中心に市内18カ所の家康ゆかりの場所を写真、解説文付でパネル展示。さらに、NHKサービスセンターによる大河ドラマの番組紹介パネル、さらに家康役の松本潤、築山役の有村架純、信長役の岡田准一など登場人物4人の等身大パネルを設置、記念撮影も楽しめるようにしている。
PRブックでは、雑誌『歴史人』2月号の「徳川家康ゆかりの安城をめぐる」という記事をピックアップして掲載。「安城松平家はもともと松平氏の分家の一つに過ぎなかったものの、松平一族の中心となり、家康公の祖父である清康公の時代には三河平定に乗り出しています」、「安城松平家が安城城に居城していた時から臣従していた家臣は安城譜代と呼ばれ、家康公からの信頼も厚く、徳川家臣団の中心として天下取りを支えたとされています」。これを読むと、家康のルーツが安城市にあることが納得できる。
大河ドラマ出演者たちの等身大パネル |
安祥城址と本證寺の解説パネル |
家康ゆかりの場所をずらり紹介 |
しかし、大河ドラマ「どうする家康」は家康が大人に成長してからの物語であり、ルーツである安城城の出てくる余地はない。安城のゆかりの地としては三河一向一揆で知られる本證寺くらいしかドラマには登場しないような気がする。テレビ画面に登場しないなら、なかなか大河ドラマを関連づけて安城市をPRするのは厳しいと言えるだろう。安城市役所の努力には頭が下がるが、ちょっと虚しい気もしてくる。
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