2023年2月12日日曜日

刈谷駅前に教会を持つ大乗教は名古屋に巨大総本山


 名鉄三河線と接続するJR刈谷駅北口にデンソーが本社を構えているが、同本社の来社客用出入口のすぐ近くに木造の小さな大乗教刈谷教会がある。大乗教は法華宗系新宗教で、戦後すぐの1948年に創設された。総本山は名古屋市の熱田神宮の近く、線路を挟んでイオンモール熱田の反対側にあり、門柱を設けた私道のような小道の両側に広がる敷地には壮麗な本殿のほか、高く聳える仏舎利塔、涅槃堂、大鐘楼などが並んでいる。全国的な知名度はそれほどないと思うが、愛知県を本拠地にする新宗教の代表的な巨大教団施設と言えるようだ。

 大乗教総本山のインド風仏舎利塔は高さ55mで、「聖仏舎利宝塔」が正式名称という。ウェブサイトによると「一天四海皆妙法と世界平和を記念して」1976年に建立された。また、涅槃堂には陸奥国分寺から寄贈された釈迦大涅槃像が収蔵されている(外からは見えない)。この像は約300年前にインドで制作され、ビルマ国王から大正天皇に友好親善目的で贈られた国宝級の仏像とある。このほか、本堂前には巨大な象の形をした置物「大白象像」が設置され、目を引くが、これは開教60周年を記念したものという。

高さ55mの聖仏舎利宝塔
壮麗な日本建築様式の本堂
本堂前に設置されている「大白象像」

  大乗教は1868年に岐阜県羽島郡で生まれた杉山辰子が教祖。ウェブサイトによると、「1914年(大正3年)秋、名古屋市東区清水町に仏教感化救済会を設立された教祖は、以来孤児、貧窮者、身心障害者に愛の手をさしのべ、教え(精神)と医薬によるハンセン氏病患者の救済に挺身、災害があれば物資を持って走り、法の実践に奔走されました」。教祖の死後、満州事変、第二次世界大戦の戦乱期を経て社会事業を中心に教祖の教えを守り、1946年に東京で大乗教会を設立、1948年に名古屋市に宗教法人「大乗教」を設立した。

 1983年にはインド・ブッダガヤに釈迦堂を建立し、大乗教インド別院を設立。巨大な大仏もあり、2014年にブータンのワンチュク国王夫妻が参拝したという。インド別院から名古屋総本山まで渡ってきたという「釈尊御聖火」の案内板も掲げられ、国際的な布教活動を行なっていることもアピールしている。

デンソー本社前にある小さな刈谷教会
こちらは名古屋の総本山正面入り口



 

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