高浜市の土管坂に4月28日、“中世ルネッサンス”をテーマにしたブックカフェ「テューア」がオープンした。瓦葺の古い民家を改装した西洋古民家スタイルの店内では、テーマに沿った飲食類を提供し、約千冊の関連書籍を自由に読めるようにしている。近くのかわら美術館は図書館機能を付加して7月22日に新装オープンする予定だが、蔵書数は閉館した市立図書館より大幅に圧縮するので、中世・ルネッサンス関連だけでなく、ヨーロッパ関連の旅行本、美術書、歴史書、小説、児童書などを読みたければテューアに行くしかないだろう。
テューアのウェブサイトでは、オーナーの鈴木さんが次のように店舗を紹介している。
「西洋の中世ルネサンスにまつわるブックカフェは珍しいのではないでしょうか。店名「Tür -テューア」の由来はドイツ語で「扉」。扉を抜けた先に広がる異空間をイメージしています。日々の喧騒から離れ、皆様を不思議な世界へとご招待し、非日常を味わい寛いでいただく…。そんなお店を目指しています。西洋にまつわる蔵書は約1000冊。これらを読んでいただいてもいいですし、持ち込んだ本を読んでも大丈夫です。本を読まず、まったりとしていただくだけでも構いません。思い思いの時間をお過ごしください。メニューは数こそ少ないものの、中世ルネサンスにまつわるスイーツをお出しします。他にはあまりない珍しいスイーツに舌鼓を打っていただけたら、オーナー冥利に尽きます。また、こちらの店舗は2022年4月下旬に購入した古民家をリフォームしています。ザ・日本!という雰囲気の純和風の古民家を、皆様の力をかりながら中世ルネサンスをテーマにしたブックカフェに変えることができました。その様子をブログにてアップしていますので、読んでいただけたら嬉しいです。」
西洋民家風のつくりという店内 |
書棚に並ぶ書籍は、ヨーロッパの中世やルネッサンス関連を中心に揃えているが、古代や近世などの時代、西洋史に関連する書籍や、神話、聖書、伝説、民話、文化、美術、幻想などのジャンルも揃えていくという。オーナーが大学で美術を学んでいたことから美術書が多いが、小説もセルバンテス『ドン・キホーテ』、ダンテ『神曲』、サトクリフ『アーサー王と円卓の騎士』、トルーキン『ホビットの冒険』、ウンベルト・エーコ『薔薇の名前』、『バウドリーノ』、辻邦生『背教者ユリアヌス』、マーク・トウェイン『アーサー王宮廷のヤンキー』、エリス・ピーターズ『修道士カドフェル』シリーズなど、翻訳ものを中心に幅広く揃えている。
(ちなみに、『修道士カドフェル』シリーズは教養文庫、光文社文庫があり、短編集も含めると全21冊になる。どちらの文庫もすでに絶版になっていることから、テューアでもまだ全巻は揃っていない。ここで自慢しても意味はないが、実は私はどちらの文庫も全巻揃いで所有している。残念ながら映像化されたシリーズのDVDは1巻も持っていないが。)
営業日は月、金、土、日の週4日で、営業時間は午前10時から午後6時までと夜の営業は行っていない。店舗前のスペースに軽自動車3台が止められるほか、近くに5台止められる貸駐車場も用意している。
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