豊田市は自治会あるいは町内会と呼ばれる地域の任意団体は、「自治区」の名称で活動し、市内に298の組織がある。これら自治区の代表者である自治区長によって「豊田市区長会」を組織しているという。この区長会では自治会運営の手引を作成、ホームページにも掲載しているが、1987年12月には「自治区と宗教活動(特に神社)」というタイトルの見解をまとめ、運営の手引の中に加えた。その内容が上の画像データである。
9月4日に開かれた豊田市議会では、午後から3人会派「新しい風とよた」に所属する岡田耕一議員が「宗教法人に対する市の対応」について一般質問を行い、まず区長会自治体運営の手引の「自治区と宗教活動」(上のデータ)全文を読み上げた。さらに、区長会が1996年にまとめた自治区会計の処理方法-自治区会計と神社会計の分離」も読み上げた。そこには「区費として徴収した資金を特定活動(特に神社祭礼費等)に支出することは避けなければいけない」と書かれ、代表者の分離(神社祭礼行事は区長ではなく、氏子総代・神社総代が行う)、事業の分離(一般自治区活動に祭礼行事を含まない)、会計の分離(祭礼費は一般区費と区分して徴収)の3点が強調されている。
この後に岡田議員が行った質問「自治区と宗教に関する豊田市の基本的な考え方」に、市の地域振興部長は次のように回答した。「自治区の活動にあたっては区民の思想、信条を阻害することがないよう、十分な配慮が必要であると考えている。区長会では自治区と宗教活動の統一見解を示しているが、市と区長会が毎年作成している自治会運営の手引に記載、各自地区の周知している。宗教活動は自治区とは別の組織で行うべきという区長会の統一見解があり、市としてもそれを尊重している」。続いて、岡田議員は市民からの相談として区長会の統一見解を無視する形で神社費を徴収、神社の修繕積立金も会計に計上する自治区を取り上げた。
岡田議員の質問は、10月23日付中日新聞に掲載された「自治会費から神社費支出」に通じている。同紙は西三河と曖昧にしているが、9月市議会定例会の一般質問が行われたことを取り上げ、「今月10日には全自治会の会長に注意を促す文章を送った」と記述。ただし、中日新聞では神社費を問題視した住民の自治会は今年度予算1000万円のうち神社費200万円と書いているが、岡田議員の相談を受けた自治区の毎年の歳入規模は繰越金を除くと600万円から650万円で、令和2年度、3年度、4年度の神社費は200万円という。中日新聞が書いた予算規模に繰越金が含まれているなら、問題となっている自治会、自治区は同じと考えられる。
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