2024年1月16日火曜日

名古屋駅前でカウリスマキの『枯れ葉』を見る

 

 引退宣言をしたアキ・カウリスマキが銀幕に帰り、カンヌ映画祭で審査委員賞を受賞した新作『枯れ葉』が昨年12月15日から公開された。しかし、愛知県では当初上映予定劇場が空欄ままで関西など他地域に見に行かなくてはいけないかと心配したが、名古屋名駅のミッドランドスクエアシネマでようやく1月12日から無事公開された。

 ところで、ミッドランドスクエアシネマはルイ・ヴィトンなどブランドショップの並ぶミッドランドスクエアビルにあると思っていたが、同ビル以外にも裏のシンフォニー豊田ビル2階にもスクリーンがあった。そして、スクリーンの小さい上映はこの裏のビルで行われており、当然『枯れ葉』もこちらのスクリーンだった。しかも、週末には1日2、3回の上映はあったと思ったが、月曜の15日は何と12時45分の1回だけの上映だった。40分前くらいにはチケット売り場に着いたが、何と席は一番前の2席しか残っていなかった。数分後に到着した若い男性客は自販機で「チケットが買えない」とスタッフに問い合わせていたが、もちろん完売してしまったわけだ。チケット自販機横に上映映画のパンフが並んでいたが、『枯れ葉』は完売していた。

 館内に単独のチラシは置いていなかったが、1月19日から公開のウディ・アレン監督作品『サン・セバチャンへ、ようこそ』など共に、上質なエンターテイメント「ART LABEL」として同作も紹介されていた。そこのアートチェックというスタッフの簡単なコメントが映画の雰囲気をよく伝えていると感じた。「ノスタルジックな風景と多様な音楽をバックに、孤独さを抱えながら生きる女と男が、ヘルシンキの街を舞台に惹かれ合うというラブストーリー展開。バンド演奏からカラオケまで自在な音楽の使い方、随所に散りばめられたとぼけたユーモアと映画愛は、アキ・カウリスマキの真骨頂」。

 映画は貧乏な冴えない中年男女のベタなラブストーリーだが、ロシアがウクライナ攻撃を行なっているラジオ放送もところどころで流れると共に、カラオケを含めて様々なジャンルのミュージックも流れ、独特のテンポで物語は展開する。コラムニスト中野翠によると、初デイトで見ているゾンビ映画はジム・ジャームーシュ監督の『デッド・ドント・ダイ』という。最後に流れる曲はフィンランド語と思われれる言葉で歌われるシャンソンの「枯葉」。
待合室にあった『枯れ葉』のいろいろなコメント

パンフレットはソルドアウト

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