2024年1月21日日曜日

『フィリピンパブ嬢の社会学』全国公開前に刈谷日劇で上映

 

 新潮新書で2017年2月に発刊された異色のノンフィクションを映画化、舞台となった愛知県で限定上映されていた『フィリピンパブ嬢の社会学』がいよいよ2月から全国へ拡大公開される。これに先立って、3カ月近く続けていたミッドランドシネマ名古屋空港での上映を終え、1月19日から刈谷市の刈谷日劇で上映を開始した。同時に、週末の土・日曜には映画上映後にトークイベント、フィリピンイベントも行われ、1月20日のイベントには原作者の中島弘象氏、監督の白羽弥仁氏も出演した。

 新潮新書『フィリピンパブ嬢の社会学』は、大学院生としてフィリピンパブの研究をしている中で名古屋市内の店に勤めるフィリピンパブ嬢と付き合い始め、その奴隷同然の暮らしを目の当たりにして奮闘するというノンフィクション。体験談の書籍化に当たっては、ピースボートで知り合った元朝日新聞記者に勧められことがきっかけになったという。2023年6月には、結婚後の生活を描いた第2弾『フィリピンパブ嬢の経済学』も新潮新書から発刊した。

 主演は是枝裕和監督の『奇跡』でデビューした前田航基で、ヒロイン役は映画初出演となる一宮レイゼル。1月20日のイベントには主演、ヒロインの出演はなかったが、フィリピンパブ嬢を演じた元パブ嬢のBelle Llorca Nishimeが出演、ホイットニー・ヒューストンの映画『ボディガード』の主題歌を披露した。彼女は現在とは違い興行ビザを取得して来日したパブ嬢で、来日する前に歌や踊りをみっちり練習したという。映画でもパブ常連客の「シバタさん」とデュエットで歌謡曲を歌っている。

 映画の撮影場所はほとんどが春日井市で、同市内にはフィリピンパブが多く、フィリピン人も多数暮らしているという。原作者の中島弘象氏も春日井市出身で、同市にある中部大学に通っていた。ただし、妻となるフィリピンパブ嬢に出会い、通った店があったのは名古屋市の栄4丁目の繁華街。中島氏によると、刈谷市内にも多くのフィリピン人が住んでいるようだ。

原作者の中島氏と白羽監督、Belleさん

スマホを見ながら熱唱するBelleさん

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