名古屋名駅のミッドランドシネマ2では上質なエンターテイメント作品「ART LABEL」を上映しているが、1月12日公開の『枯れ葉』に続いて、1月19日から『サン・セバスチャンへ、ようこそ』が公開されたので、1週間遅れの1月26日・金曜に見に行った。同作品は、児童性的虐待容疑のスキャンダルで新作があまり公開されていなかったウッディ・アレン監督作品で、2020年に制作された。舞台はスペイン北部バスク地方のサン・セバスチャンとそこで開かれている映画祭で、第68回サン・セバスチャン国際映画祭のオープニング作品となったという。
ART LABELチラシのアートチェックのコラムでは、「監督の映画愛とセンスが溢れ出す」として次のように記載。「華やかな映画祭の様子を切り取り、軽快なジャズ・ミュージックが流れる中、フェデリコ・フェリーニ監督の『8 1/2』、オーソン・ウェルズ監督の『市民ケーン』、ジャン=リュック・ゴダール監督の『勝手にしやがれ』など、ウッディ・アレンのチョイスでクラシック映画を劇中に起用」。アレンを思わせる冴えない男性を演じるのは、『マンハッタン』、『ラジオデイズ』などの作品に出ていたウォーレス・ショーン。
夢などの劇中劇としてかつてのヨーロッパ映画をモノクロ画像で再現した作品では、『8 1/2』、『勝手にしやがれ』のほか、フランソワ・トリュフォーの『突然炎のごとく』、クロード・ルルーシュの『男と女』、ルイス・ブニュエル『皆殺しの天使』が登場。さらに、イングマール・ベルイマンの『仮面/ペルソナ』、『野いちご』、『第七の封印』の3作品が登場。残念ながらベルイマン作品はあまり見ていないが、最後に出てくる『第七の封印』はアレンが最も好きで影響を受けた映画という。再現シーンでは、クエンティン・タランティーノ監督『イングロリア・バスターズ』でアカデミー賞を受賞したオーストリア出身のクリストフ・ヴォルツを死神を演じている。
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