2023年10月25日水曜日

中日新聞に掲載の「自治会費から神社費支出」訴訟一覧


  10月23日付中日新聞「自治会費から神社費支出」の記事では、神社費の自治会費からの徴収が問題となった判例として上表の3例を紹介。これについて、「佐賀地裁が2002年、神社に関わる費用と自治会費を一括徴収する方法を『憲法の信教の自由などの趣旨に反して違法』と判断。京都の時代祭に対する自治会費からの支出が問題となった京都地裁での訴訟でも今年3月、今後は自治会費からの支出を取りやめることで住民と自治会の和解が成立した」と書いている。

 こういった自治会費あるいは町内会費からの神社費・祭礼費支出が信教の自由に反するものとして広く認知されてきている中、戦前からの旧村社と言われるような宮司のいない小規模な神社を実質的に運営している自治会、町内会はどう対応しようとしているのか? 記事では、神社費の支出に疑問を呈している西三河(おそらく豊田市)の男性が所属する自治会長のコメントを次にように記載。「自治会費の集め方を見直さないといけない時期にきているのは分かっている。常駐の宮司がいるわけではなく、神社が独自で集めるのは難しい。今の形態を変えれば神社の運営が立ちゆかなくなる」。

 何となく納得したくなるコメントだが、実は自治会あるいは町内会から分離、独立した神社の氏子組織が神社費・祭礼費を集めるようになってもそれほど大幅に財政が減少しないのではないかと思う。安城市の農村地区では、新年と祭礼時に奉納金などをボードに掲示しているが、びっくりするほどたくさんの人が自ら進んでお金を出している。「問題と考える住民がいる以上、解消するには自治会とは別に氏子組織をつくり、会計も切り離すしかない。地域の神社をどうしていくからまた別に議論していくべきだろう」と名古屋大中田実名誉教授。

2023年10月23日月曜日

中日新聞に「自治会費から神社費支出」の西三河自治会

 

 10月23日付中日新聞に自治会費からの神社費支出について、西三河に住む自営業男性の意見とその意見に基づいた取材記事が大きく掲載された。このブログ「安城市の不思議」でも、安城市南部のいくつかの町内会で神社費あるいは氏子費を一律に徴収していることは信教の自由に反するものとして是正を求めているが、新聞の記事でも神社費支出に「『信教の自由』反する?」と見出しを付けて疑問を呈している。しかも、神社費だけにとどまらず、京都の時代祭への自治会費支出差し止め訴訟で神社の祭礼も宗教行事として疑問視されるようになった。

 西三河の自営業者の意見は次のような内容。「私の自治会では、会計から地元の神社へ毎年200万円支出しています。神社の係も住民というだけで強制的に担当させられます。信教の自由を認める憲法に違反しているのでは」。記事によると、この自治会には約200戸が加入し、会費は1世帯当たり年2万円。それぞれ1万円を神社費(たぶん祭礼費含む)として支払っている計算という。神社の役員は地区ごとにそれぞれ2人ずつ出し、催事などをまとめる神社係長や会計なども輪番制。「自治体と神社の氏子組織が一体化しているとも言える」(中日新聞記者)。

 安城市南部では町内会ブロック費に含まれる神社の氏子費・祭礼費、薬師寺費が合わせて5千円なので、西三河の自営業者が住む地区はかなり高額と言える。自治会の加入が約200戸とちょっと少ないので、1戸当たりの負担が大きくなっているかもしれない。ただ、記事では説明されていないが、200戸はあまりに少ないので、一つの神社をいくつかの自治会が一緒になって支えている可能性もある。

 記事では、自営業者が住む市では1987年12月、自治会の連合組織が「信教の自由」を前提に神社費に対する見解を提示、この見解を自治会運営の手引書に掲載し、毎年自治会長に配布と書いている。見解で示している対応策は、(1)自治会と氏子は別々に組織する(2)神社会計は独立して編成し、自治会会計からの支出はしない(3)自治会組織を利用して神社に対する寄付集めなどはしない。「今年9月の市議会定例会の一般質問でも男性が指摘する問題が取り上げられたことを受け、今月10日には全自治会の会長に注意を促す文書を送った」。

 実は記事では伏せられているが、この西三河の組織は「豊田市区長会」という名称の豊田市の自治会連合組織とみられる。同区長会は28あり、その下部組織として「自治区」という名称の298の自治会がある。1996年2月に提供した「自治区会計の処理方法」の資料では次のように記載している。「自治区は、思想、信条を異にする住民の集まりである。従って、特定候補に対する選挙運動並びに神社祭礼行事等には自治区の名をもって関わることは慎まなければならない。併せて、区費として徴収した資金をこうした特定活動(特に神社祭礼費等)に支出することも避けなければならない」。対応策として掲げているのは、代表者の分離、事業の分離、会計の分離。

 

2023年10月22日日曜日

赤松町コスモス畑が場所を移動、すでに満開に

   10月14日、「赤松町ふれあいコスモスまつり」が満開となったコスモス畑で開かれた。と書いたが、今年はどこにコスモス畑があるかも知らず、残念ながらイベントも見に行けなかった。赤松町のコスモス畑は環境保全型農業への取り組みを進めるため、安城市を通じて国から助成金が交付されたのをきっかけに作付けが始まり、昭和59年からコスモスまつりも開催されてきた。町内のコスモス畑は2カ所ある畑を1年ごとに交互に作付けているもので、昨年は安城高校前交差点付近の県道45号線沿いだったが、今年はリサイクルプラザの西側を使っている。

 コスモス畑は赤松町内会と赤松環境保全会が取り組んでいるもので、環境保全会は助成金が交付されたのを機に営農組合を中心に組織したという。コスモス畑は、コスモスまつりが開かれた10月14日から月末にかけてがピークということで、10月21日の土曜は広い畑には白やピンクのコスモスが咲き誇っていた。「こちらの特徴は、花がとっても密に咲いていること! どこを見ても一面お花でいっぱいです」とキャッチネットワークのウェブニュース。

 コスモス畑には楕円状の曲がりくねった通路が設けられ、じっくり花を鑑賞、様々な角度で写真撮影できるように工夫。21日は土曜ということもあって、家族連れやアベックなどが次々と訪れていた。畑の周りには駐車場がないので、すぐ横の道路や、フラワーロードを挟んでリサイクルプラザに向かう反対側の道には車がぎっしり並んでいた。





隣の車道にずらり車の列



2023年10月20日金曜日

イオンモール東浦にダイソーのスタンダードプロダクツ出店

 

 10月20日から31日まで「22周年祭」を開催中のイオンモール東浦に10月27日、ダイソーの生活・テンテリア雑貨店「スタンダードプロダクツ」がオープンする。2階のミュゼプラチナム隣で、すぐ目の前がジー・ユー、エスカレーターという好立地。工事中の覆いにはポスターと共に、「膨大なアイテムを扱ってきたダイソーが新しいスタンダードのあり方を提案します。Standard Products」の文字が掲示されている。

 イオンモール東浦の22周年祭販促チラシでは、ニューショップとしてスタンダードプロダクツを次のように説明。「普段の生活で使う、日用品をちょっと楽しく。使いやすく買いやすい、スタンダードなアイテムをそろえました。『ちょっといいのが、ずっといい。』」。オープニング特典として、店内商品税込1200円以上お買い上げでノベルティをプレゼント(先着600人)する。

 スタンダードプロダクツは、2021年3月に東京・渋谷マークシティに1号店をオープン。その後、東京・新宿、銀座、吉祥寺、さらに大阪、京都、兵庫、神奈川、広島などにも次々出店、昨年5月には初の海外店舗をシンガポールにオープン。愛知県には出店が遅れていたが、昨年10月に名古屋駅前の近鉄パッセとイオンモール常滑に出店した。愛知県にはその後、イオンモール豊川、イオンモール長久手、名古屋栄スカイルにも出店、イオンモール東浦店は6番目の店舗になる。イオンモール東浦は刈谷市の隣で、安城市南部からも車で15分ほどで行けるが、西三河ではなく、知多地方に位置している。西三河ではイオンモール岡崎に出店しないなら、ららぽーと安城が開業するまでスタンダードプロダクトの店舗はできないかもしれない。

イオンモール東浦のスタンダードプロダクツ出店場所
販促ポスター

 なお、イオンモール東浦には100円ショップはイオングループのキャンドゥしかない。ダイソーもセリアも出店していない。

2023年10月16日月曜日

ららぽーと安城(仮称)の着工、三井不動産が発表

 

 三井不動産(本社東京都中央区、植田俊社長)は10月16日、愛知県安城市で開発を推進しているリージョナル型ショッピングセンター「(仮称)三井ショッピングパーク ららぽーと安城」を建築着工したと発表した。開業は2025年春を予定している。計画地は、JR東海道線安城駅および名鉄西尾線北安城駅から徒歩圏内であり、国道1号、23号、419号といった幹線道路からのアクセスもよく、交通利便性の高い立地となっている。

 同施設は、「三井ショッピングパーク ららぽーと名古屋みなとアクルス」(愛知県名古屋市)、「三井ショッピングパーク ららぽーと愛知東郷」(愛知県愛知郡東郷町)に続き、愛知県3施設目のららぽーとになる。また、東海3県では、ららぽーと以外に「三井アウトレットパーク ジャズドリーム長島」(三重県桑名市)、「RAYARD Hisaya-odori Park」(愛知県名古屋市)といった施設も展開している。

 ニュースリリースによると、ららぽーと安城(仮称)の主な特徴は次の通り。

 <商業機能> ファッション、雑貨、飲食、エンターテインメント、サービスなど、話題性の高い店舗を揃え、ファミリー層をはじめ、幅広い世代のお客さまが集い、お楽しみいただけるような商業施設を目指す。

 <地域コミュニティ機能> 約4000㎡の大屋根付き屋上広場を整備し、豊富な遊具を設置することで、地域居住者の憩いの場となるスペースを設ける。また、建物内にイベント対応可能なスペースを設置し、地域と連携したイベントやスポーツイベントといった様々なイベントを計画し、季節や天候を問わずお楽しみいただける空間を創出する。

 <ESG課題解決への寄与> 太陽光パネルの設置や効率的なエネルギー運転管理、省エネアイテムの導入によって、CO2排出量の削減をはじめとしたESG課題の解決に取り組んでいく。

ららぽーと安城の内観CG

ららぽーと安城の建物配置図

ららぽーと安城の立地環境

三井ショッピングパーク ららぽーと安城(仮称)計画概要

【所 在 地】愛知県安城市大東町1058-2

【敷 地 面 積】約105,500㎡(約31,900坪)

【構 造 規 模】店舗棟:鉄骨造地上4階建(店舗:1~3階)、立体駐車場棟:鉄骨造地上6階建 3棟

【延 床 面 積】約171,000㎡(約51,700坪) 店舗棟: 約101,000㎡(約30,500坪) 立体駐車場棟: 約69,900㎡(約21,100坪)

【店 舗 面 積】約60,300㎡(約18,260坪)

【店 舗 数】約220店舗

【駐 車 台 数】約3,500台

【交   通】 JR東海道本線安城駅徒歩約10分、名鉄西尾線北安城駅徒歩約13分

【スケジュール】2023年10月着工、2025年春竣工・開業(予定)

【設 計 会 社】基本設計: 東急設計コンサルタント、実施設計・監理: 熊谷組一級建築士事務所

【施 工 会 社】店舗棟・外構工事: 熊谷組、立体駐車場棟工事: IHI運搬機械

【環境デザイン】ランドアートラボ、社丹青社、スペース





2023年10月9日月曜日

「ららぽーと安城」の新築工事スタート

 

 「ららぽーと安城」となるとみられる三井不動産の「安城市大東町商業施設計画」の新築工事がいよいよ始まる。工事現場に張り出された看板によると、昨年5月から始まった「ザ・モール安城」と倉敷紡績一部工場の解体工事は6月30日に終了、令和7年3月13日までの予定(労災保険保険関係成立票)で、商業施設の新築工事が10月13日から始まる。都市計画法による開発許可は安城市長から今年8月10日に受け、東京都新宿区の熊谷組が工事を施行する。

 ウェブ版の10月6日付「建設ニュース」では、「三井不動産 安城市の大型商業施設整備着工」の見出しで次のように報道している。「三井不動産は、安城市の『ザ・モール安城』跡地で進めている『安城市大東町商業施設』の新築工事を10月から着手した。工期は2025年3月13日まで」。

 安城市大東町商業施設計画の出店概要書によると、10.58万平方メートルの敷地内に、鉄骨造り4階建て、建築面積約5万平方メートル、延床面積約17万平方㍍の大型商業施設を整備する。中央の4階建て商業施設は1階から3階までの3フロアで店舗展開、商業施設の周りには約3200台が収容できる駐車場を5カ所に設置する。大規模小売店舗立地法の届出は2024年3月の予定で、開業は2025年4月を予定している。


県道沿いに設けられた工事現場のフェンス

フェンス隙間から覗いた解体工事あとの現場
フェンスに掲示された新築工事計画

 なお、倉敷紡績安城工場の以前の正門は解体工事に伴って閉鎖されたが、この元正門前のフェンスには地図が掲示してあり、新正門が県道47号沿いに設けられていると紹介。また、地図には正門前の工場はなくなったが、新正門南側の第2工場、第3工場、織布工場は現在も稼働していることが示されている。

閉鎖された倉敷紡績安城工場の旧正門


2023年10月1日日曜日

高浜の稗田川河岸に赤黄の彼岸花、川の起点は安城市高棚

 

 9月上旬から下旬にかけて稗田川(ひえだがわ)周辺に群生する「彼岸花」は、高浜市の観光スポットの一つになっている。毎年9月はじめごろのピンク色から黄色、赤色へと咲く色が変化するというが、9月30日に訪れた時にはピンク色の花はなく、土手の下の遊歩道沿いに黄色と赤色の花が咲き誇っていた。

 高浜市観光協会によると、高取地区の稗田川に架かる法響橋(高取ふれあいプラザ北)、中学橋、吉野橋あたりで彼岸花が見られ、堤防沿いには八反田公園を起点とする約5.3㎞のウォーキングルートも設けられている。高浜郵便局と中学橋の間には臨時駐車場も設置され、土曜に当たった9月30日には車で訪れる見学客も目についた。この稗田川の彼岸花は2010年から数年かけて球根を植栽したもので、その後自然分球が進んで、数十万株にまで増えているという。

稗田川の遊歩道に沿って黄色と赤色の彼岸花

ややピークを過ぎた黄色の彼岸花

 稗田川は油ヶ淵から衣浦湾に流れる高浜川の支流で、河川延長は5.4キロしかない。ウィキペディアによると、周辺の水田からの排水が大部分を占め、普段は川底が見えるほど水深が浅い。

 起点は安城市高棚町で、デンソー高棚製作所の手前の車道に突き当たって川は途切れる。地図上では同製作所の南東の車道に沿って走るコンクリート水路も稗田川となっているが、同製作所南西にもコンクリート水路があり、これら水路が合流して川が形成されているものとみられる。

安城市内の稗田川でも赤い彼岸花
デンソー高棚製作所横に伸びる水路も稗田川


ららぽーと安城のテナント187店舗を先行発表

  三井不動産は安城市大東町に開発中の商業施設名を「三井ショッピングパーク ららぽーと安城」に決定、来年4月に開業すると発表。同時に、全テナント約210店舗中187店舗を先行して明らかにした。敷地面積は3万1900坪で、地上4階建ての店舗棟(3階までが店舗)と3棟の地上6階建て立...