2022年6月28日火曜日

本證寺のハスが咲く


  東海地方で6月27日に梅雨明けと例年より大幅に早まったが、これに伴って7月が見ごろと言われている野寺町の本證寺のハスが6月28日にきれいに花開いた。ただし、開花したのは正面の内堀に広がっているハスの白い花が中心で、横や裏手の内堀、離れた場所に一部残っている外堀に植わっているハスはほとんど開花していない。7月17日には午前6時から蓮見茶会が開かれる予定になっているが、その時までには正面内堀以外のハスも開花するとみられる。しかし、梅雨明けが早まったことからいま咲き誇っているハスの花は散ってしまう可能性が高い。

 本證寺前にある市教員委員会の掲示板によると、内堀に咲く咲くハスは明治32年の「三河3ヶ寺野寺本證寺全図」に描かれており、毎年7-8月には山門に向かって右側に白い花、左側には赤い花を咲かせていたが、1994年を最後にハスは突如消滅した。その後かつての景観を取り戻そうと2010年に地元の有志によって「本證寺ハスの会」が結成、ハスの植栽を行うと共に外来生物の駆除を進めて、2013年には山門の両側のハスの再生に成功した。現在もハスの会の活動は継続されているという。 
山門左の赤い花はまだ大半が未開花状態

 なお、ハスの花は午前中に咲いて午後にしぼむという特性がある。このため、午前中でないと花を鑑賞することはできない。私も間違って6月28日の午後2時半ごろ本證寺に行ってしまい、ハスのつぼみしか見ることができなかった。しかし、翌29日の午前10時に再び訪問、内堀のハスがきれいに開花していることを確認した。

28日午後に見た内堀のハス
29日午前10時に見た内堀のハス
午前中でないとハスの花には出会えない




朝日町・まちのえき岡菊苑


 朝日町西交差点から追田川にかけての朝日町商店街の一角に、木の格子、屋根瓦が目を引く2階建ての古民家がある。この民家は初代安城町長だった故岡田菊次郎が晩年を過ごした家。現在は市民の憩いと交流のスペース「まちのえき岡菊苑(おかぎくえん)」として一部開放され、市民ボランティアの運営でイベントや教室などが開催されている。

 まちのえき岡菊苑前の市教育委員会のボードによると、岡田菊次郎は1867年の生まれで、父は穀屋(こくや)「安覚」を営み、蒸気機関による精米所を持つなど碧海郡きっての穀屋となり、1917年(大正6年)に岡菊苑の建物を建てた。菊次郎は1892年に26歳で村議会議員となり、助役、町長、県会議員、明治用水普通水利組合の役人、さらに戦後は明治用水土地改良区初代理事長として地域に発展に奔走。業績として、安城を碧海郡の中心とすべく県立農林学校や紡績工場などの誘致、警察署、郡役所の移転、道路整備などを成し遂げた。さらに安城町商工会をつくり、安城駅を中心に道路を放射状に整備するなど現在の市街地の産みの親ともなった。

 岡菊苑は中心市街地の魅力向上を目的に安城市中心市街地活性化協議会のプロジェクトチームが企画、菊次郎が晩年を過ごした居宅を人々の憩いの場として平成25年(2013)10月にオープンした。翌年4月の広報あんじょうでは、「安城の歴史や菊次郎に関するパネル、岡田家秘蔵の品等が展示されています。毎週土曜・日曜日の午前10時から午後4時まで一般開放されており、第2土曜市やコンサート等様々なイベントも開催されている」と岡菊苑を紹介。問い合わせは市の商工課と記載しているが、現在はすでに市は運営に関与せず、市民ボランティアがイベントや各種教室を運営する形になっている。土・日曜の一般公開もしばらくは行われていたが、来館者が少なかったこともあって自然消滅、今は全く行われていない。

今年7月のスケジュール

 イベント、教室のスケジュールは市民ボランティアが毎月チラシを作成、配布している。教室は生花教室、洋服のリメイクの教室、猫のしつけ教室、折り紙教室などいろんなものが開かれているが、7月10日の2日曜には初めて古民家カフェを開催する。来店者には大正時代に建てられた苑内もゆっくり見学してもらいたいという。

まちのえき岡菊苑前の案内ボード

明治用水会館のある岡田菊次郎銅像 

2022年6月26日日曜日

アーケードのある朝日町商店街

 JR安城駅南口には御幸商店街、花ノ木商店街、セントラル商店街、末広商店街、本通り商店街、朝日町商店街、日の出商店街の7つの商店街が並んでいるが、このうち唯一アーケードを備えているのが約80店が振興組合に加盟する朝日町商店街。ガス灯の雰囲気も漂う街灯、歩道を覆う褪色したアーケード、その下に掲げられた古びた看板など、どことなく昭和の香りが漂う商店街らしい商店街となっている。立ち並ぶ商店も中には現代的な意匠の店舗もあるが、昭和のスタイルで営業する老舗も目立つ。

 昨年発刊した商店街の小冊子では、朝日町商店街振興組合石川正信理事長(アイライフ石川)が次のようにコメントしている。「1970年に朝日町商店街が設立されて51年。1954年、第1回安城七夕まつりの開催。この頃安城七夕まつりや商店の売り出しとなると、道は人で埋め尽くされていました。そこから道幅が広くなり、歩道ができ、アーケードが設置され‥‥と、安城駅・南安城駅を中心に商店街の買い物がしやすくなっていきました」。アイライフ石川によるとアーケードの設置は安城駅前都市改造計画の一環として始まり1973年に完成、1982年には街灯も設置された。

 現在、アーケードは追田川東から朝日町東の交差点までの300メートル強続いているが、店舗の新築でなくなっているところもある。また、商店街の始まる朝日町西の交差点から追田川まではアーケードはないが、街灯だけは並んでいる。このあたりには、大野屋(惣菜)、ティンカーベル(ケーキ)、金十ポンプ工業所(設備工事)、フルーツの金魚屋、人形の金魚屋などビル化した店舗が並んでおり、もともとはアーケードになっていたのかどうか分からない。

















アーケード下の看板もレトロ


空き地に前にもアーケードは続く
駅前から追田川まではアーケードはない
 
 アーケード街の昭和感漂う店舗としては、日昇堂表具店、鈴木小鳥店、レディスファッション松屋、名盤堂、杉本時計店、深津商店などがある。このうち日昇堂表具店は襖や障子の張り替えを中心に90数年の営業という老舗で、「表具師」の看板を掲げるガラス戸のレトロな店づくりが目に付く。鈴木小鳥店も1945年創業という老舗で、ガラス戸を開け放した店内ではインコや文鳥など人気の鳥から珍しい鳥・家禽まで多種多彩な鳥を販売している。名盤堂は組合に加入していないのか朝日町商店街の冊子に店舗紹介がないが、CDのほか、アナログレコードも揃えているようだ。

 なお、かつて安城中央商店街連盟が発行していた広報誌「Akindo」の2015年10月付・第9号で、特集「朝日町の逆襲」を掲載した。2017年開業のアンフォーレによって人通りがさらに減るという危機感から、賑わいを取り戻すための専門機関「國立経済研究所」を立ち上げたと紹介、同研究所所長と商店街幹部との座談会を掲載した。その後ろで、まちづくりコーディネーターが「まちの変化とともに、新たな動きが芽吹き始めています。中心市街地商店街は3年後、5年後とさらに大きく変わっていきます。是非、生まれ変わりつつある中心市街地の商店街に目を向けて頂きたい」とコメント。現在も中心市街地商店街は厳しい状況が続いており、近く3商店街が合併する方針を打ち出した。朝日町商店街はそこに入っていないが、すでに経済研究所は撤退、賑わいを取り戻すための有効な手立ては依然として見出せていないような気がする。

表具店
前面がガラス戸の鈴木小鳥店
朝日町東の交差点でアーケードは終了


  
 

2022年6月22日水曜日

6割以上が外国人の知立団地(知立市)


 公園の周りに1号棟から73号棟までのビル群が並ぶ知立団地は、約1960戸の住民の6割以上を外国人が占め、その大半がブラジル人ということでよく知られる。団地内には知立東小学校があるが、朝日新聞は2019年2月デジタル版で新年度の同校新入児童49人中41人が外国籍になる見込みと報道した。もちろん、知立団地は知立市にある。ただし、安城市住吉町のカトリック安城教会から車で5分くらいの至近距離で、安城警察署は知立市も管轄地区としている。

 知立団地は1966年に日本住宅公団が造成した賃貸住宅で、現在はUR都市機構が管理している。知立市の調査によると、知立団地の位置する昭和6、7、8、9丁目の総人口は2021年4月で3976人。このうち外国人市民の人口は2576人で、割合は63.3%と団地内に住む市民の6割以上が外国人。ちなみに、知立市全体で外国人の人口は5263人で、最も多いのがブラジル人の2476人。続いて多いのがベトナム人720人、フィリピン人702人、中国人447人、ベルー人270人。圧倒的に多いブラジル人は5年前に比べて221人増加したが、ベトナム人はさらに上回る503人も増加している。

 現在、団地は建物の外装工事中で、すでに工事を終えた建物はマンション風のすっきりした外観に変わっている。昔のブログを見てイメージした団地風景とは、大きく異なっている。ただし、団地の中央部にある商店街は昔のイメージを引きずっている。スーパーのにぎわい市場マルスはなぜか外側をテントで覆っており、その中を覗くと通路まで商品が山積み状態。明るい店舗は郵便局と外国支線労働者支援機関スタートアイズの事務所で、スタートアイズには仕事の相談に来る住民も多いようだ。このほか、知立市多文化共生センター「もやいこハウス」があり、NPOが外国人児童の放課後学習支援などに利用しているという。

 目につくのは駐車場やゴミ集積場などの注意書きは日本語にポルトガル語が併記され、資源ごみの日、不燃ごみの日の分類図も詳しくポルトガル語で記されていること。犬・猫禁止も貼り紙もポルトガル語が併記。どこにも英語の併記はないので、団地内は日本語とポルトガル語しか通じない世界のようだ。

案内図

現在外装工事中の建物もある
団地中央の商店街、右正面にスーパー

スタートアイズ
日本語とポルトガル語のゴミの分別図
駐車場にもポルトガル語




2022年6月20日月曜日

インターナショナルな安城教会


  名鉄新安城駅南口の大通り沿いにあるカトリック安城教会は、日曜日のミサ、教会活動共に複数の言語に対応するインターナショナルな教会として知られる。1989年の設立から千200人以上の信者が洗礼を受けたというが、その内訳は日本人が約300人で、ブラジル人が約750人、フィリピン人は約80人、ペルー人は約30人(教会ホームページから)。目立ってブラジル人が多いが、これは車で数分のところに多数の在日ブラジル人が暮らす知立団地があり、美園町の県営依佐美住宅も車で10数分の立地のためとみられる。もちろん、立地以上に大きいのはポルトガル語によるミサが行われていること。

 カトリック安城教会は1972年に知立市で設立されたが、1989年に現在の安城市住吉町のロードサイドに規模を拡大して移転した。ホームページによると、大聖堂の隣には、事務室、司祭の居室、台所、教室、ホールを備えた建物もある。在籍信者数は500人を超えているが、正式に籍に入っていない外国人の信徒200人以上も定期的にミサに参加している。ミサ案内表では、大聖堂ミサは毎週日曜午前9時半から日本語で行われ、第1・3日曜の午後5時からポルトガル語、第4土曜午後7時からポルトガル語、第2日曜午後4時からフィリピン語、第3日曜午後1時からベトナム語、第4日曜の午後1時半からスペイン語、同日午後4時から英語でそれぞれ行われている。

 ハラルレストランが並ぶ新安城駅周辺には、こういったカトリック教徒である在日ブラジル人のための食材店、レストランもある。食材店は北口の「Brazilian Foods」で、コンビニよりやや狭い店内には肉、加工食品、パン、飲料水、菓子がぎっしり並び、駅前ということから日本人も交えて来店客数は多い。ブラジル料理のレストランはそのすぐ近くにある「シュラスカリア サンパウロ」。まだ入ったことはないが、グーグルなどネット情報を見ると食べ放題のランチタイムバイキングを行っており、土・日曜にはシュラスコ付きバイキンもあるという。

 なお、カトリック安城教会のマナー説明書では、聖堂内の写真・ビデオ撮影は「禁止されていませんが、撮影する場合には、静粛に音を立てないように注意してください」とある。

日曜には車で外国人家族もやって来る
大聖堂にミサのため集う人々

Brazilian Foods













シュラスカリア サンパウロ


2022年6月17日金曜日

新安城インドネシアレストラン


 新安城のインドネシアレストランでは、焼き飯料理「ナシゴレン」、ご飯に数種類の惣菜を盛った一皿料理「ナシチャンプル」など、本格的なインドネシア料理がランチタイムに手軽に味わえる。インドネシアレストランの1店は、イトーヨーカドー安城店の前にある3階建てビルの2階に入居している「アルアミン(AL  AMIN)」。新安城モスク周辺に点在するハラルフードを使い、アルコール類の提供を行わないハラルレストランの一つでもある。もう1店はバリローカルのインドネシア料理を中心に、タイ料理も提供する「プランギ(Pelangi)。アルアミンと同じ大通りの1階にあるが、ハラル対応ではないのでアルコールも提供している。

 アルアミンは、1階がイタリアンの洋食レストランというビルの2階に入居している。オーナーシェフが新安城モスクにやって来るイスラム教徒のためのハラルレストランとして開業したもので、今年秋で開業して4年になるという。イスラム教徒のためということから、レストラン奥では菓子類から冷凍魚まで各種ハラルフードも販売。メニューにはアヒル揚げ、ナマズのフライなど本場の料理も記載されているが、ランチタイムには日本人も手軽に食べられるナシチャンプル、ナシゴレンをドリンク付きで提供している。このうち、ナシゴレンにはチキンフライ付きセット(税別1180円)も用意。窓際の席からはイトーヨーカドーが一望できる眺めのよさも特徴。来店客のうち9割くらいが東南アジア人で、アルコール類を提供していないこともあり、日本人はランチタイムに来店するくらいという。

 プランギはユニークな形状をした3階建てビルの1階にあり、バリをモチーフにした南洋風な店づくりでテーブルに人形も置いてある。オーナーシェフはバリ人で、以前は関西で営業していたという。リーズナブルに本格的なバリのインドネシア料理を提供すると共に、タイ料理も揃え、さらにアルコールとしてアジアの各種ビールを用意。ランチタイムメニューは、ナシゴレン、ナシチャンプル、ミーゴレン(屋台の焼きそば)と、タイ料理のガパオライス、トムヤンラーメン。このほか、日替わりカレーも提供。ナシチャンプル(税込1500円)以外は税込1000円で、いずれもサラダ、スープ付き。プラス300円でソフトドリンク飲み放題、プラス250円で日替わりデザートとなかなか豊富なメニュー。ナシゴレンには、ちょっと濃厚な味付けの焼き鳥一串が付いている。

アルアミンの店内
アルアミンのハラル食材コーナー
アルアミンのチキン付きナシゴレン

バリスタイルのプランギ店内
ナシゴレンのランチセット

ランチメニュー

2022年6月14日火曜日

新安城モスクとハラルレストラン


  宗教法人ダル・ウッサラーム安城支部「新安城マスジド(モスク)」は、名鉄新安城駅南口から徒歩2分の3階建てビルにある。イスラム教信者ではないので中は分からないが、1階には絨毯を敷いた礼拝スペースがある。ただし、駐車場横の階段に「3rd Floor  LADIES PRAYER」と掲示され、1階とは別に女性用礼拝スペースもあるようだ。同モスクは駅前立地ということから、日本国内で最も出入りの多いモスクの一つとなっている(イスラム教ホームページ)。このため、周辺にハラルフード専門店、インド・パキスタン料理、インドネシア料理、スリランカ料理など各種ハラルレストランが並び、近くにはハラルではないインドネシア料理レストランもある。さらに、北口にもハラルフードを扱うインド料理のハラルレストランが営業している。

 ハラル(ハラール)はイスラムの教えで「許されている」という意味のアラビア語で、イスラム法上で、行ってよいことや食べることが許されている食材や料理を示すという。当然、ハラルレストランはモスクに来るイスラム教徒がメーンターゲットで、アルコール類の提供もないため、来店客のうち日本人は全体の1、2割という店もある。逆に言えば、東南アジア地域のハラル料理がランチタイムなどに新安城駅前で手軽に味わえるわけである。

 新安城モスクのすぐ隣にあるのは、ハラルフードの専門食材店「アジアンハラルフード&グッズ」。その隣には、カレーなどインド・パキスタン料理中心のハラルレストラン「マディナ」。日本人のファンも多いようで、各種カレー・ナンのセットのほか、混ぜご飯のビリヤニが美味しいと食べログの書き込みにある。同じ通りには、スリランカ料理やインドネシア料理などハラル料理を幅広く扱い、ハラル食材コーナーも設ける「スリランカレストラン&ハラルフード」も営業。さらに、イトーヨーカドー前の大通り沿いにインドネシア料理のハラルレストラン「アルアミン」がある。「近日公開 レトロカフェビリケン」という意味不明の看板を掲げたビルの2階に店舗を構えており、ナマズのフライ、アヒル揚げなど本格的なインドネシア料理を提供。奥にはハラル食材を並べたコーナーも設置している。また、北口のインド・ベンガル料理のハラルレンストランは「ニュー・ボイシャキ・レストラン」。食べログではカレー中心で現地感満載の雰囲気という書き込みがあり、2階にハラル食材の売り場もあるという。 

 新安城駅南口にはロードサイド書店「本の王国」のすぐ近くに駐車場を備えた大きなカトリック教会がある。このため、外国人が半数以上を占める知立団地などからやって来るブラジル人、フィリピン人なども多く、北口にはハラルとは無縁のブラジル食材専門店、ブラジル料理のレストランも営業している。南口には何とペルー料理のレストランもある。同店のすぐ近くには、ハラルではないインドネシア料理のレストラン「プランギ」が営業中。
1階の新安城モスクを入ると礼拝スペース
上が女性用の表示
ハラルレストランのマディナ

スリランカレストラン&ハラルフード
アジアンハラルフード&グッズ
2階にアルアミン
ニュー・ボイシャキ


2022年6月12日日曜日

明治用水中井筋


  明治用水は愛知県中央の矢作川を水源にして、安城市を中心に豊田、岡崎、知立、刈谷、高浜、碧南、西尾の西三河各市を潤す農業用水で、工業用水としても利用されている。水は豊田市にある明治用水頭首工から取水して、幹線水路、小幹線水路などを通って地域の用水路に供給される。幹線水路は明治本流からまず東井筋が分岐、安城市に入って中井筋と中央部を流れる西井筋に分かれ、中井筋は一部刈谷市を通って高浜市に流れ込んでいる。約86%がパイプライン化され、その上部には自転車道や遊歩道がつくられている。中井筋では水が流れている水路も多いが、これら水路の大半は排水路で、実際の明治用水は遊歩道下に流れている。
 
 安城市総合運動公園北から南西方面に分かれる中井筋は、用水路が全長8420mで、排水路が8848m(西井筋は0m)。三河安城駅横の線路に至るまで自転車道と遊歩道がきれいに整備され、約300本の桜が植えられている。途中には昔の明治用水をイメージして水の流れを再現した「大道山せせさぎ」を設け、さらに水車を使った小水力発電機も設置している。また、JR三河安城駅北口には「二本木分水工」という施設がある。市教員委員会の「安城歴史の散歩道」によると、分水工は水路の流水を必要な箇所へ分流させる施設で、ここでは中井筋の水を神楽山用水、新道用水、蝮畔(まむしぐて)用水の3本の支流に分岐している。このほか、三河安城駅南口には地上を流れる用水を見ることができる中井筋親水施設がある。

    二本木地区を超えて、デンソー高棚工場の近くまで行くとまだ遊歩道の整備事業が継続中の場所もある。西三河農林水産事務所の看板によると、以前の中井筋水路はコンクリート三面張り構造だったが、施設の老朽化と都市化による排水不良が進んだため、治水機能の保全と水辺環境の保全を目的に水路整備を実施。さらに地域コミュニティの場としての利活用を図ることを目的に、遊歩道を主体に整備しているという。実施年度は平成21年度から令和5年度までとあり、まだしばらくは工事が続くようだ。

 看板の断面図を見ると外に出ている水路は全て明治用水排水路で、明治用水の水はパイプの中にしか流れていないことに気づく。最近の頭首工漏水の時も外の水路が少なくなっていると観察していたが、完全な間違いだった。

地下の明治用水と自転車道の中井筋が分かれる分岐点
桜並木
水車発電
用水を支流に分岐する二本木分水工
親水施設
まだ工事が続く遊歩道の整備
明治用水は遊歩道下のパイプを流れている












 

ららぽーと安城のテナント187店舗を先行発表

  三井不動産は安城市大東町に開発中の商業施設名を「三井ショッピングパーク ららぽーと安城」に決定、来年4月に開業すると発表。同時に、全テナント約210店舗中187店舗を先行して明らかにした。敷地面積は3万1900坪で、地上4階建ての店舗棟(3階までが店舗)と3棟の地上6階建て立...