2023年2月13日月曜日

安城の夫婦が仲介、ウクライナウォッカ輸入販売

 

 2月12日付朝日新聞朝刊の社会面に、ウクライナ支援の一環としてウォッカの輸入販売を実現した安城市の葛西孝久氏夫妻の記事が掲載された。葛西氏は一般社団法人ウクライナ人道支援ジャクユーサポートを設立して活動するが、同氏の仲介で酒販事業も展開する高浜市の運送会社エーアイエスは、日本初輸入となるウクライナウォッカ「ディスティルNo9」を1月24日に発売した。中部空港の倉庫にウォッカの箱を引き取りに行く様子を交え、NHKが1月26日午後6時10分からの地域情報番組「まるっと!」で放映したが、朝日新聞の報道はこれに続くもの。

 朝日新聞の記事によると、輸入販売を開始したウォッカは、キーウの集合住宅で葛西氏の隣人だった男性が社長を務める酒造会社「Premium Spirits Brands」の商品の一つという。「孝久さんと社長の男性は、お互いの部屋を行き来して、ウォッカを酌み交わした。男性の会社が生産しているウォッカは、『ウォッカの概念が変わるほどおいしかった』。言葉が通じなくても、ウォッカを仲立ちとして友情を深めた。だから、『友人を助けたい』との思いが強かった」。「孝久さんは『現地で働く人の1人分の給料でもいい。わずかながらでも支援したい』と高浜市の運送会社エーアイエスに相談した」。

 当初海路輸送を計画していたが、戦禍のオデーサ港が使えず、ホーランドからの空輸に切り替えた。昨年4月の構想から9カ月後の昨年末、中部空港にウォッカのボトル576本が到着した。ウォッカは大麦やトウモロコシ、ジャガイモなどを原料にしているが、高級酒として知られる「ディスティルNo9」は小麦のみでつくられた蒸留酒。朝日新聞では、「どんなシーンにも合う、フレッシュな味わいだ」という酒造会社海外販売担当者のコメントを紹介。


 高浜市のエーアイエスについては朝日新聞はほとんど触れいてないが、同社は運送業を中心に事業展開すると共に酒販事業も行う。この酒販事業では洋酒のネットショップ「たまにわ酒店」を運営。同時に事務所内に販売スペースを作り、不定期ながら店舗営業も行っている。ウクライナウォッカのディスティルNo9は税込み1本4680円で販売。売り上げの一部はウクライナ支援として寄付するという。

2023年2月12日日曜日

刈谷駅前に教会を持つ大乗教は名古屋に巨大総本山


 名鉄三河線と接続するJR刈谷駅北口にデンソーが本社を構えているが、同本社の来社客用出入口のすぐ近くに木造の小さな大乗教刈谷教会がある。大乗教は法華宗系新宗教で、戦後すぐの1948年に創設された。総本山は名古屋市の熱田神宮の近く、線路を挟んでイオンモール熱田の反対側にあり、門柱を設けた私道のような小道の両側に広がる敷地には壮麗な本殿のほか、高く聳える仏舎利塔、涅槃堂、大鐘楼などが並んでいる。全国的な知名度はそれほどないと思うが、愛知県を本拠地にする新宗教の代表的な巨大教団施設と言えるようだ。

 大乗教総本山のインド風仏舎利塔は高さ55mで、「聖仏舎利宝塔」が正式名称という。ウェブサイトによると「一天四海皆妙法と世界平和を記念して」1976年に建立された。また、涅槃堂には陸奥国分寺から寄贈された釈迦大涅槃像が収蔵されている(外からは見えない)。この像は約300年前にインドで制作され、ビルマ国王から大正天皇に友好親善目的で贈られた国宝級の仏像とある。このほか、本堂前には巨大な象の形をした置物「大白象像」が設置され、目を引くが、これは開教60周年を記念したものという。

高さ55mの聖仏舎利宝塔
壮麗な日本建築様式の本堂
本堂前に設置されている「大白象像」

  大乗教は1868年に岐阜県羽島郡で生まれた杉山辰子が教祖。ウェブサイトによると、「1914年(大正3年)秋、名古屋市東区清水町に仏教感化救済会を設立された教祖は、以来孤児、貧窮者、身心障害者に愛の手をさしのべ、教え(精神)と医薬によるハンセン氏病患者の救済に挺身、災害があれば物資を持って走り、法の実践に奔走されました」。教祖の死後、満州事変、第二次世界大戦の戦乱期を経て社会事業を中心に教祖の教えを守り、1946年に東京で大乗教会を設立、1948年に名古屋市に宗教法人「大乗教」を設立した。

 1983年にはインド・ブッダガヤに釈迦堂を建立し、大乗教インド別院を設立。巨大な大仏もあり、2014年にブータンのワンチュク国王夫妻が参拝したという。インド別院から名古屋総本山まで渡ってきたという「釈尊御聖火」の案内板も掲げられ、国際的な布教活動を行なっていることもアピールしている。

デンソー本社前にある小さな刈谷教会
こちらは名古屋の総本山正面入り口



 

2023年2月7日火曜日

安城市長選で元副市長の三星元人氏が初当選

 

 任期満了に伴う安城市長選挙は2月5日に投開票され、無所属の新人で元副市長の三星元人氏(62)=自民、公明、新政あいち推薦=が初当選、無所属の新人で元市議の永田敦史氏(52)を下した。5期20年務めた神谷学市長の退任表明に伴って新人同士の戦いとなったが、後継指名を受けていた三星元副市長が大方の予想通り戦いを制した。ただし、同氏の知名度が低かったためか予想外の接戦となり、得票差はわずかだった。市長の任期は2月15日から4年間。

 安城市の有権者数は14万8510人。投票総数が7万5066票、有効票数が7万3526票で、投票率は前回(2019年)を2.71ポイント下回る50.55%だった。当選した三星元人氏の得票数は3万8778票(得票率52.7%)。永田敦史氏の得票数は3万4748票で、4030票の差だった。市内の投票区は45区で、投票区別の有権者数、投票率は発表されているが、残念ながら立候補者別の投票区ごとの得票数は市から明らかにされていない。有権者数は横山、二本木南部、桜井南部が6千人台、今池、笹目、西尾西部、箕輪が5千人台、里東部、北明治、和泉、小川が4千人台で、こういった大票田区が当選を左右したかもしれない。

 2月6日付の中日新聞朝刊では投票結果を次のように解説。「有権者が選んだのは、現市政の継承だった。当選した三星元人さんは、副市長など市の要職を歴任し、現職の神谷学市長を支えた」、「選挙戦では、大半の市議からの支援を受けた」、「ただ、各地の選挙で恒例となっている公開討論会などの場は設けられなかった。両候補が神谷市政のどこを評価してどこに課題があると考えているのか、双方の政策にどんな違いがあるのか、有権者に判断材料を提供する機会は限られた」。

 南部の農村部などはほとんど選挙カーも回っていない状態で、選挙期間がわずか7日間ということもあって、2人がどのような主張をしていたか分からない有権者が多かったと思う。中日新聞に指摘するように、せめて公開討論会を1回でも開くべきだと思う。この点は安城市に反省してもらいたい。

2023年2月3日金曜日

アニメ『親鸞聖人物語』、安城で連続上映会


  2月2日、安城市のアンフォーレで開かれたアニメ映画『歎異抄をひらく』上映会に参加したが、会場で次の上映会『親鸞聖人物語』の案内を渡された。今回の上映会はチューリップ企画主催、街かど仏教カフェ共催で開かれたもので、チューリップ企画はチラシなどに記載していないが、浄土真宗親鸞会の仏教教材を販売する関連会社。アニメ映画やビデオの企画制作・上映も行っており、浄土真宗が広まった蓮如の時代を取り上げたアニメ映画『なぜ生きる』を2016年に公開。歎異抄の筆者である親鸞の弟子、唯円が親鸞に導かれていく一生を描いた『歎異抄をひらく』は2019年の制作で、親鸞会会長高顕徹の同タイトルの著書が原作という。

 次回上映のアニメ映画『親鸞聖人物語』は、チラシによると全国50万人が感動した歴史アニメで、父母を失い仏門に入った親鸞の修行時代から晩年の著作活動までを描く超大作という。監督はアニメ『なぜ生きる』を手がけた大庭秀昭監督。同タイトルのアニメ映画は検索しても見当たらないが、チューリップ企画が1992年に制作・販売したオリジナルビデオアニメ『世界の光 親鸞聖人』が同じ作品と見られる。

 チューリップ企画のウェブサイトによると、ビデオアニメ作品は第1巻が29歳までの1時間10分、第2巻が29歳から34歳までの1時間20分、第3巻が35 歳から40歳の1時間50分、第4巻が40歳から60歳の1時間50分、第5巻が60歳から80歳の1時間35分、第6巻が80歳からの1時間45分。DVDの販売もサイトで行っているが、各巻が7000円と高額で、しかも第1巻だけは品切れなのか販売商品リストにない。ヤフーオークションでは、別巻「王舎城の悲劇」を加えた全7巻が7万6666円(税0円、送料別)で出品されている。

アンフォーレ1階ホールで開催の上映会

次回上映会の案内

 安城市の上映会は、2月9日と2月16日に安城市民会館の3階会議室と2階講座室で開催する。いずれも午前10時からと午後1時からの2回行い、2月9日は朝が第1巻の前半、午後が後半、2月16日は午前が第2巻の前半、午後が後半となっている。ビデオ作品では第1巻の収録時間は1時間10分、第2巻は1時間20分なので、そのまま上映するなら2回に分ける必要はない。何か別の講習も組み入れる計画なのだろうか、全ての回が無料となっているので、通常の映画上映会ではないような気もしてくる。

 ちなみに、アニメ映画『歎異抄をひらく』上映会は入場料が千円だった。新聞の折り込みチラシが入ったこともあり、夫婦や子供連れの参加者などもあり、宗教団体主催という雰囲気はあまり感じられなかった。しかし、配布された資料の中に入会特典付きの仏教通信講座サンプル版が入っており、映画上映会が親鸞会の主力事業となってきている通信講座の受講者拡大を図る手段の一つともなっていると思われた。

2023年1月30日月曜日

住みよさランクで安城市が70位から97、139位へ下落

 

 東洋経済は1993年から毎年「都市データパック」を発刊し、全国812市区の「住みよさランキング」を発表しているが、2022年の総合1位は東京都武蔵野市で、2位は福井市だった。愛知県では長久手市が9位、名古屋市が14位、みよし市が26位、日進市が42位、大府市が43位で、西三河では刈谷市が59位、碧南市が90位、安城市が139位、豊田市が236位、岡崎市が309位、知立市が370位、西尾市が395位、高浜市が501位となっている。

 安城市のランキングは2020年に70位だったのに2021年に97位、2022年には139位に後退したが、順位が下がった原因について昨年12月の市議会で質問があった。先ごろ発行された「あんじょう市議会だより」に掲載されたもので、神谷清隆議員が質問したという。安城市からの回答は「(住みよさランキングの)指標は安心度、利便度、快適度、富裕度の4項目で構成されており、安城市は快適度が下降している。快適度が下降した要因は、転出入人口比率が減少したことが影響したと考えられる」と記載。転出入人口比率は転入者数から転出者数を差し引いた数で、コロナ感染の影響で経済が低迷、雇用も減少し、人口が転出超過状態となっている。

 住みよさランキングは、安心度、利便度、快適度、富裕度の部門ごとの平均偏差値での順位づけを行っている。安城市の2022年ランキングは富裕度は15位と高いが、快適度は257位で、安心度は551位、利便度は573位と低い。「低位部門の底上げが必要と感じている。安心度では犯罪抑止のための防犯対策、交通事故抑止のための歩道整備、車道の拡幅工事などを着実に行っていきたい。利便度では、大東町の民間投資による大規模小売店舗の面積増大によって、今後の順位上昇が期待できる。市としては地域の繋がりづくり、交通の円滑化対策などによって街の魅力を高めていきたい」と神谷学市長。

 なお、住みよさランキングでは安城市の特徴について次のように書いている。「県のほぼ中央に位置。明治用水の完成により農業や畜産が発展、当時は農業先進都市として『日本デンマーク』と呼ばれた。市域の4割以上は耕地で、農業は稲作のほか野菜、花き、畜産などの都市近郊型の多角経営が行われている。名古屋市通勤圏として都市化が進行。近年は、豊田市と衣浦臨海工業地域に近い立地から自動車関連企業が進出し工業化も進む」。

 

2023年1月28日土曜日

家康、天下への始まりの地=安城

 安城市はNHK大河ドラマ「どうする家康」の放送に合わせて、家康ゆかりの地としての安城をPRする宣伝活動に力を入れ始めた。「家康公 天下への始まりの地 安城」のタイトルでカラー刷りPRブックを作製すると共に、JR安城駅前の市観光案内所キーポートで同タイトルのパネル展示を開始した。もちろん、三河で家康と言えば岡崎城のある生誕の地の岡崎市だが、家康の祖父に当たる清康までの安城松平家4代が安城城を居城にしていたことから、家康のルーツは安城松平家としてアピールしているもの。

 キーポートのパネル展示では、入り口にPRブックの表紙と裏表紙「家康公ゆかりの地MAP」を引き伸ばして展示。続いて安祥(安城)城址、本證寺を中心に市内18カ所の家康ゆかりの場所を写真、解説文付でパネル展示。さらに、NHKサービスセンターによる大河ドラマの番組紹介パネル、さらに家康役の松本潤、築山役の有村架純、信長役の岡田准一など登場人物4人の等身大パネルを設置、記念撮影も楽しめるようにしている。

 PRブックでは、雑誌『歴史人』2月号の「徳川家康ゆかりの安城をめぐる」という記事をピックアップして掲載。「安城松平家はもともと松平氏の分家の一つに過ぎなかったものの、松平一族の中心となり、家康公の祖父である清康公の時代には三河平定に乗り出しています」、「安城松平家が安城城に居城していた時から臣従していた家臣は安城譜代と呼ばれ、家康公からの信頼も厚く、徳川家臣団の中心として天下取りを支えたとされています」。これを読むと、家康のルーツが安城市にあることが納得できる。

大河ドラマ出演者たちの等身大パネル

安祥城址と本證寺の解説パネル

家康ゆかりの場所をずらり紹介

 しかし、大河ドラマ「どうする家康」は家康が大人に成長してからの物語であり、ルーツである安城城の出てくる余地はない。安城のゆかりの地としては三河一向一揆で知られる本證寺くらいしかドラマには登場しないような気がする。テレビ画面に登場しないなら、なかなか大河ドラマを関連づけて安城市をPRするのは厳しいと言えるだろう。安城市役所の努力には頭が下がるが、ちょっと虚しい気もしてくる。





 

2023年1月23日月曜日

愛知知事選掲示板隣にポスターのない安城市長選掲示版

 

 愛知県知事選挙が1月19日に公示され、県内の各地に設置されていた選挙ポスター掲示板にポスターが張り出された。安城市内では安城市町選挙のポスター掲示板も隣に設置されたが、こちらはまだポスターが張り出されていない。県知事選挙と市長選挙の選挙運動期間が異なるためで、運動期間は都道府県知事選挙が17日間に対して、政令指定都市の市長選挙は14日間、一般市の市長選挙はわずか7日間である。このため、投票日は愛知県知事選挙、安城市長選挙も同じ2月5日だが、安城市長選挙の告示日は1月29日と知事選挙より11日も遅い。

 安城市長選挙は5期20年務めた昭和33年6月生まれの神谷学市長が退任を表明したことから、現職対新人という従来の構図とは異なる選挙戦となる。今のところ立候補を表明しているのは、元安城市副市長の三星元人(みつぼしもとひと)氏と安城市会議員の永田敦史(ながたあつし)氏。三星氏は桜井町出身で、昭和57年に愛知大学卒業後、安城市役所に勤務、総務部次長、市民生活部部長を経て、平成31年4月から副市長に就き、昨年12月7日付で退任した。永田氏は古井町在住で、安城市会議員を6期務めているが、安城市長選挙に過去2回出馬して落選、今回で3度目の挑戦となる。

 愛知県知事選挙は、4選を目指す現職の大村秀章知事と新人の6人が出馬した。新人は共産党推薦の尾形慶子氏以外は、どの政党の推薦も受けていない無名候補。政党の支援を受けていない候補は、選挙運動も家族・知人中心という小規模態勢で行っており、名古屋市や出身地以外のポスター掲示板にはポスターもあまり張り出していないようだ。安城市の農村部では当初掲示板のポスターは大村氏と尾形氏の2枚しかなく、その後3枚に増えたが、6枚が揃うことはないような気がする。

安城市農村部で知事選の掲示板にポスター3枚

高浜市中心部では掲示板のポスター4枚

 「公職選挙法の供託金の金額及び供託金没収点」のウィキペディア資料を見ると、都道府県知事選挙は供託金が300万円で、没収点は有効投票総数の10分の1。一般市長選挙は供託金が100万円で、没収点は有効投票数の10分の1。愛知県知事選では政党の支援を受けていない場合、知名度がないと有効投票数の10分の1を達成するのはなかなか厳しい。

 


ららぽーと安城のテナント187店舗を先行発表

  三井不動産は安城市大東町に開発中の商業施設名を「三井ショッピングパーク ららぽーと安城」に決定、来年4月に開業すると発表。同時に、全テナント約210店舗中187店舗を先行して明らかにした。敷地面積は3万1900坪で、地上4階建ての店舗棟(3階までが店舗)と3棟の地上6階建て立...