安城市ウェブサイトの市民の声ページには、「町内会費について」の質問要旨と市から回答が掲載されている。いずれも組費を含めて年間2万円近くする異様に高い町内会費を疑問視し、安城市に対応を要請する声である。市からの回答は町内会は任意団体で、指導などを行っていないというそっけないものである。しかし、実は市は町内会に補助金を出して、いろいろな行政の一翼を担わせているわけで、町内会は単なる任意団体ではない。
安城市農村部の福釜町、高棚町、榎前町などでは町内会費は、町内会費と組費(あるいはブロック費)の二重構造であり、町内会費だけの地域より2倍近く高い町内会費を徴収されている。なぜ二重構造で町内会費を徴収しているかというと、市から補助金を得るためには前年度決算書及び事業報告書、新年度予算書及び事業計画書を市に提出する必要があり、町内会の活動として市が掲げていない神社費、祭礼費などを町内会費から外すため(私見)。ママ向け情報サイトの調査では、町内会を1万以上払っている人は12.8%だった。
2つの「町内会費について」の質問と回答をピックアップしてみる。
回答 平成30年9月
〈質問要旨〉
所属している町内会の町内会費は年間9000円です。さらにそれとは別に年間8000円の組費があり、祭りの寄付なども加えると年間2万円近く払っています。市内のどこでもこのぐらいかなと思っていましたが、聞いてみるとだいたい半分かそれ以下の町内がほとんどでした。イベント数によるのかとも思い、聞いてみてもだいたい年間で同じような事を行っています。なぜ町内会によって差があるのか、調査していただけないでしょうか。
〈安城市の回答内容〉
町内会は地縁を基にした任意団体であり、自主的に行われている活動や運営等について、市が指導することは行っておりません。従いまして、市が町内会費等の調査を行うことはございませんので、ご理解いただきますようお願いいたします。町内会費等の使途については、町内会で開催される総会の資料として、事業報告や収支決算報告等で確認ができると思いますので、町内会事務所に詳細をお尋ねください。
回答 令和4年3月
〈質問要旨〉
町内会には入りたいと思っていますが、町内会費や組費を合わせると2万円ほどすると聞きました。あまりにも高いので町内会の入会に踏み切れません。高すぎる会費、昔ながらのあり過ぎる行事では、忙しい核家族、共働き世帯には見合っていません。平日はもちろん、祝日も仕事しており、土日は買い出しや病院、子供の習い事など忙しくしています。多くの行事にはほとんど参加できません。町内会の在り方や妥当な会費を再検討してほしいです。町内会の役員の方に伝えてほしいです。
〈安城市の回答内容〉
町内会は地縁を基にした任意団体であり、在り方や会費の内訳・使い道については、各町内会によって様々です。そのような中で、核家族世帯や共働き世帯にとっても加入しやすい町内会となるよう、より良い町内会を目指していただければと思っております。いただいた意見につきましては、町内会長へお伝えさせていただきます。
インターネット広告・メディア運営事業のインタースペースが運営する、日本最大級のママ向け情報サイト「ママスタ」は、「町内会費に支払う金額」に関するアンケートを行った。回答数は1,994票。「20,001円以上」が最も少なく約3%で、「10,001円~20,000円」がともに約9%。「負担金なし~1,000円」は約30%となり、「1,001円~1,0000円」が半数以上を占めた。
全体の半数以上、55.6%の人たちが支払っている金額は「1,000円以上10,000円」。そのなかには「2,400円(月額200円)で、ゴミ捨て場の管理や季節の行事も開催してくれて、安いくらい」、「町内活動に参加できないぶん、お金だけはしっかり払いたい。役員の方々ありがとう」といった前向きなコメントもあった。「年間10,000円以下の支払いであれば、おおむね満足していることが分かる。防災対策や排雪費用に充てるなど、むしろこの金額でしっかりやってもらえて有難いと感じている人も多そうだ」とママスタ。